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祖母とカタツムリ。
六月。 カタツムリ。
毎年、この季節になると祖母のことを思い出します。
私がまだ小さかった頃、片方のまぶたが垂れている為に、片目をつぶっているように見えた祖母に向かって、「カタツムリ〜、カタツムリ〜」と言った事がありました。
すぐ横に母がおりまして、ひどく叱られた私は大泣きしました。
母親に叱られて意気消沈している私に祖母は、頭の上に両手の人差し指を立てながら、
🎵で〜んで〜んむ〜しむ〜し、か〜たつむり〜🎵
と、にこやかに歌ってくれました。
それでも、涙が止まらなかった私。
翌朝、ふてくされて布団から出ようとしなかった私を祖母は、カタツムリの手作りのお面を被った格好で起こしに来てくれました。
そんなふうにして、祖母は「人を許す事の大切さ」を教えてくれました。
だから、私は毎年カタツムリが現れるたびに、祖母を思い出してしまうのです。
おばあちゃん、ゴメンナサイ。
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