クレームや批判への対応に関するお話。
神戸大学の学生が旅館で破壊の限りを尽くしたというニュースを見てしまいました。やっぱり頭良いのと悪いのは紙一重なんだな、と思いながら詳細を見てみましたら、ここまで来たか.… のドン引きレベルでした。
やばいよ~、NIPPON。
そんな事よりも心配なのは、昨今何かと批判を受けて悲しい思いをしておられる方たちです。
明らかにやらかした場合は仕方がないので勉強の機会と捉えるとしても、本人がよく分からない理不尽な批判やクレームを受けて悩む事が多いようですね。
私は過去にある企業のカスタマーセンターの所長をしていた事がありますので、その時の経験も交えて僅かですが『理不尽な圧力に対する気の持ち方』についてご紹介させて頂きたいと思います。
※あくまで私の対処法ですので、一般論がどうであるかは除外してお読みくださいませ。(例によって、一部ふざけます。)
まず謝る。
基本的には、まず謝ってしまう事です。相手は怒っているのですから、謝ってしまった方が結論は早いです。怒りで血圧が上がりまくっている相手に対して、のらりくらりと「まずお名前を…」などと聞き返すものだから、さらなる怒りを買うのです。まず謝ってしまいましょう。
余談ですが、交通事故を起こした際には過失相殺に不利だから絶対に謝るな、と聞きますがあれは本当なんでしょうかねぇ?ガセでしょうねぇ。そもそも日本語の「すみません」に、罪を認めるという意味はないと思うのですが。一日中すみませんを連呼している私なんか絶対不利じゃないですか、ねぇ?
そだね~、ごめんね~ だけで9割は排除できる。
「そだね~、ごめんね~」 あらまぁ、なんと便利な言葉なのでしょう。
カスタマーセンターなどでは無理ですが、SNSなどのどうでも良い場所で、匿名で文句をつけてくる連中なんかコレで9割は排除できます。何を言われても「そだね~、ごめんね~」。
・お前が語るな! ➜ そだね~ごめんね~
・何様だよ! ➜ そだね~、ごめんね~
・さらすぞ! ➜ そだね~、ごめんね~、
ね、十分でしょ。
あっちいけ、シッシッ!
全く見当違いな事を言ってくる相手に対しては、「そだね~、ごめんね~」さえも勿体なくて使いたくありません。
そんな時は、「あっちいけ、シッシッ!」を使いましょう。
・許可を取ってんのかよ! ➜ あっちいけ、シッシッ!
これでイイっす。
少しふざけ始めたので元に戻しますね。
お前じゃ話にならない。社長を出せ。
これはかなり多いですが、対処は簡単です。
マニュアル本などで「私が担当ですので私が承ります」という回答例を見かけますが、これでは不十分です。私が承るというゴールは間違ってはいませんが相手は納得しません。
その前に散々話を聞いているうえでお前じゃダメだとなっているのですから、あなたじゃダメなんです。何故私が聞くのか、その理由を早い段階で伝える必要があります。答えはとても簡単です。
「社長を出すと話がややこしくなりますから、だから私がお聞きします。その上で社長にお伝えします。」と答えます。
「今いない」は絶対NGです。仮に本当にいないとしてもダメです。「戻ったら連絡させろ」となりますからダメですね。この場で解決しなければいけません。
たまにいますが、「ややこしくなってもいいから社長を出せ」などと食い下がってきたら、最終手段として二択を迫ります。
【選択肢1】 社長を出すと面倒になるのは過去の事例から明らかですので、それは出来ません。私が伺います。と対応を続ける。(社長を出して不適切な対処をするより、私が対応して適切に問題解決をしたが宜しいですよね。お客様の目的は適切な問題解決ですよね、という意味です)
【選択肢2】 電話を切ってもらう。(対処不要という意味です)
会社として対応している以上、こちらが電話を切る事はできません。それをすると大変不利になります。
対応を続けた方と電話を切られた方、どっちが多かったかは記憶が定かではありませんが、社長を出した事は勿論一度もありません。
実際、社長なんか出したって余計に面倒な事になります。皆さんの会社だってそうではないでしょうか?
何が言いたいのかよく分からないクレームには
明らかにこちらに非がある時には真摯に情報と相手の言い分を聞き取る必要があるため話が長くなりますが、何をグダグダ言ってんだこいつは?という時には、「では、目的をお聞かせください」で対処します。
金銭などが目的の場合、相手が物品や金銭の要求を行った時点で即アウトです。通報しましょう。相手がさらっと具体的な金銭的要求を発した場合、相手はただの一般人ですので、その発言自体には目くじらを立てずに、優しくその要求にはお応えできませんと答えましょう。何故かと聞かれたら罪になる事を教えてさしあげて、それ以外の目的を聞き出しましょう。
相手が一般人でない場合、金銭要求できない事を理解していますから「誠意を見せろ」という言い方をしてきます。「誠意とは何でしょう?」「自分で考えろ」「前例がなく、分かりませんので仰ってください」あたりで相手が詰まります。これで行き詰まる程度のクレームならば、そのまま放置して問題ありません。それ以上に発展するケースは極めて稀です。
金銭目的ではなく、単に文句が言いたいだけの人もいます。その場合は顧客であろうとなかろうと対処は変わりません。顧客だからいって遠慮して延々と不明瞭な話に耳を傾ける必要はありません。長くても10分ほど話を聞けば十分でしょう。
それ以上長引く場合には上の様に目的は何かと聞いて、「文句を言いたい」となれば「十分にお伺いしました。では目的は達せられましたね」と返し、さらに食い下がる様であれば「ご意見は全て控えさせて頂きました。あなただけの窓口ではない事をご理解ください」と丁寧に押さえつけます。ここは言い方がポイントです。こんなに冷淡な口調ではありません。わざと訛ったりする事もあります。演技力もそれなりに必要ですね。あくまで「丁寧に」、そして二度と起き上がらないように「押さえつける」のです。
とまぁこんな感じでですね、参考になるのかならないのか分かりませんが、何となくでもクレーム処理の概要は掴んでいただけましたら嬉しいです。当たり前ですが、クレーム処理は大変です。
私の場合は、営業を5年ほどやった後でカスタマーセンターに入りましたので、商品や会社に関する具体的な会話ができた事で、相手が(あ、コイツは現場をよく知ってるヤツだな)と感じていただけたと思います。それはかなり有利だったと思います。
とはいえ、朝から晩までクレームを受け続ける部署で、始業前から電話が鳴り続けていると思わず「誰が取るかジャンケン」をしたくなる日もありました。もう20年以上前の話です。そんな時に限って負けるのが私だったりするですが、かえって長電話になる事で、逆にラクできたりなんかもしました(笑)
こんな話をするとやっぱり「顧客相手に仕事なめてんのか」とか言われるのでしょうかねぇ。めんどくさいな。カスタマーセンターは大変だという話なのに。それこそあっちいけシッシッです。
まぁしかし、そうですねぇ、思うのは…
今の世の中全体を見てもそうですが、少し『人の話を聞きすぎ』なのではないのかな、と思いますねぇ。
人間の感情なんてものは無段階のグラデーションですよね。どこが感情の境目なのか分からないです。
1秒後には全く違う気持ちになったりする事なんてザラです。常に微妙にゆらゆらと揺らめき、色んな感情が混じり合った状態です。
そのなんだか、自分でさえも掴みどころのない感情を、たかが5万や6万個程度の限られた日本語だけを使って表現する事なんて、それはそもそも不可能な事なのです。
つまり、日常生活も含めて、誰かによって発せられる言葉というのは、おそらくその人の気持ちを正確に表すものではなくて微妙にズレているという事です。
相手の目を見て話をしっかり聞く事は大切ですし、素晴らしい事だとは思うのですが、その発せられた言葉すべてを、一つ一つを、丁寧に心に仕舞い込む必要は無いと思います。それらの中には大した意味をもたない言葉も沢山、いや、むしろ殆どが相手の気持ちとはかけ離れた意味を持たない言葉なんだろうと、私は思っています。
まともに聞いたところで、どうせ間違ってんだから。
どんどん聞き流しましょう!
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