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仕事をしたらお金をもらえるはずの世界でお金をもらわずに働いてみた

 本業の行き詰まりによる息抜きという不純な動機から、私はボランティアを始めました。10年以上私は目標達成至上主義の営業で、稼ぐ快楽に取り憑かれたように一般企業で仕事をしてきました。それ以外のことをあまり考えていなかったので、仕事が行き詰まるととても孤独な日々を過ごしてきたのでしたが、そんな中なんだかFacebookでふと見つけたこのボランティアを始めてみて、お金をもらわないのにたくさん仕事をする人たちがこんなにいることを知りました。
 最初は、お金ももらわないのに結構な自分の時間を割いたり積極的にオンラインMTGに出席して考えを表明したりなんて徳の高い人たちなんだろうと距離を感じる思いでしたが、皆さんが本当に何の衒いなくただ楽しそうにしている活動なので、単にみんな楽しく、でも真剣に遊んでいるんだなと思い至りました。ボランティアって聖人みたいな人がたくさんいるんだとばかり思っていましたがそんなことはなく(失礼ながら)、やってみると思ったより気軽でカジュアルな空間でした。
 学生だったり、色々な場所で働いていたり、リタイアされた方もいて本当に多種多様でクリエイターもその道でライスワークの方もいれば、複業クリエイターの方もいて、学生、社会人、主婦、本業が〇〇で、というカテゴリーはその方の特徴の一つにすぎないという新しい見方と解放感のようなものがありました。
 ばらばらな皆様の共通点はまだ始動して間もないアートプロジェクトの何かに惹かれていること。「本」「川」「街」のどこかのキーワードだったり、「アート」っていう概念だったり活動だったり、それを取り巻く人たちに惹かれていたりこれも様々ですが、プロジェクトとしての懐の広さが、各自が勝手に作り上げてだんだん大きくなっていく「街」みたいで私は気に入っています。私もその街角の一角を作っていけたらという気持ちで勝手におります。
 学生さんの参加もとても多くてうれしい限りですが、いろんな大人のパターンを見本市のように見られるのも一つ楽しみかもしれません。働くことに取り憑かれる前に、お金がもらえないのに面倒を楽しめる不思議で素敵な大人たちをアートな目線で見てみるのも面白いと思います。
ボランティア説明会は残すところあと3回《9/12(日)9/23(木・祝)9/30(木)》。一日だけ、この時間だけ、とかでも活動参加できますので秋の一日、何かユニークな経験をしたい人、お金払って何かのイベントに行くのもいいですが、払わない払われないひとときを持ってみる体験をしてみるのも、意外といい出会いになると思います。私は1時間だけ、と思いながらもう半年も一緒に活動させていただいていますが笑。


中村書。

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