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……の中国を旅する(9) 良い民泊はこうして出会う

Vol 37   中国旅行

武漢から重慶、貴陽、西双版納まで、私は7つの民泊に滞在しましたが、それぞれ異なる風景を持ち、その地の人の考え方や物事を多角的、立体的に体験し、理解することができました。
今回は、貴陽の2つの民泊での体験についてお話しをします。

前号で紹介した民泊は、マンション式のホテルに分類され、オーナーに運営を依頼された管理会社が建物内の一定数の部屋を管理し、マンション内の一室がフロントとなり、管理スタッフが常駐しするという形式です。
小規模や個人経営の民泊では、家主と宿泊客との連絡はWeChatやメール、電話で行い、家主は姿を見せず、衛生管理は専任の清掃スタッフに任せています。

貴陽、2つの民泊では

貴陽の民泊をネットで探していたとき、地理に疎かった私は選定地域を貴陽北高鉄駅(中国の新幹線駅)付近に設定しました。このあたりが北駅の建設完成に伴って開発された「北大資源夢のまち」であることを後で知りました。

ネットで施設情報:「35㎡の広い部屋、洗濯機、キッチン付き」と備え、写真の感じもよく、宿泊客の口コミも「とても便利、部屋もきれい」とあったので、93元(約1800円)/日で予約しました。 毎回、新しい民泊の値段は前より安いので、嬉しいことです。

夕方、観光地「黄果樹」への日帰り旅行を終えて、タクシーで民宿に向かいました。
タクシーを降りると、高層ビルが立ち並ぶ商店街、1階にあるレストランやショップ、店内の明るい照明、行き交う客のにぎやかさに圧倒されました。民泊ビルのエレベーターの入り口まで辿り着き、WeChatで大家さんと話しながら部屋に案内されました。

同系列の部屋(ネットより)

3日間滞在した広々としたリビング兼寝室。
貴陽にくるまでは、1日3食を町のレストランで食べていました。二人はおかずの品が多く注文すると、食べ残しが出ますので、結果的に食べられるものの種類は限られました。

貴陽に来ると、キッチンで調理できるので、食べなれた食材やその土地しかない食材、果物などを買い込み、口に合ったおいしいものが豊富になりました。
昼は外食で、味見したい料理があれば安心して注文し、食べられなければパックに詰めて持ち帰り、夕食はスーパーで買った青菜や豆腐をちょい足しして、家にいるような感覚で出来上がりました。
朝食も自宅にいたときのように、牛乳、おかゆ、レストランにない食べ物の組み合わせ......。

3日目の夜、大家から私たちに滞在を更新するかどうか尋ねてきました。私たちは本当はもう数日貴陽に滞在したいですが、大家に礼を言って別の宿に変えました。

民泊を変えた理由

民泊の快適さ、満足度の体験には、情報サイトが紹介するハード面だけでなく、周辺環境(清潔さ、騒音など)、室内設備品質、室内の匂い、家主のサービス態度など、滞在中に感じるものも含まれます。情報サイトの評価点(5点満点)は事前の参考にはなりますが、ものではない体験は入居後にしか得られなません。

最初の民泊はレビューの点数は悪くなかったのですが、泊まってみると、部屋全体の内装質がよくないと感じました:

一) シンクを使っているときに水滴が落ちる音がした。よく見ると、蛇口の位置がずれていて、流水が常にシンクの外に飛び散っていた。
そして台面には大きな隙間があり、水は下の木製キャビネットに流れ込み、木製キャビネットはカビが生えて黒くなっていた。

キャビネットから水が溢れないか心配だったので、雑巾で隙間をふさぎ、何回も雑巾の水を絞った。

二)部屋の家具は格好よく見えたが、ベッドサイドテーブル、テレビキャビネット、キッチンの戸棚の扉は緩んでいたり、外れていたりした。シンクの蛇口はグラグラしており、内装工事は雑で、不快に感じた。

三)トイレットペーパーは1日分しか部屋に用意されていなかった。私は近くのコンビニで購入し、後日大家がWeChatで代金を支払ったが、基本的な備品が事前に用意されていなかったことは、大家のプロ意識の低さを示している。

その他にも、人を嫌な気分にさせるものがいくつかある:

四)部屋の設備使用規定には、シャワーの後は給湯器のコンセントを抜くようにと明記されているので、「24時間給湯」というサービスは、大家さんの節電意識(実際はもっとコストがかかる)に取って代わられていて、なんだか変な感じだ。

五)テレビはどの番組も映らず、炊飯器の内側容器は焼け焦げ、IH調理器の機能ボタンは1つしか使えない。これらにおいて、大家は平気だった。
六)大家は私の問い合わせに毎回返答してくれたものの、いつも時間がかかり、ゲストへのタイムリーな返答もサービスの質を示す指標のひとつであることに気づいていなかったのだろう。

私は民宿サイトで利用後のレビューに上記についてコメントを書きました。

日本では、宿泊を予約する人の多くが、利用後の客の声を一応調べてみます。他人が経験している問題から、目に見えない落とし穴を避けたいのです。
サービス側はしばしば、利用者からの苦情への対応を、利用者の満足と信頼を高め、製品やサービスの質を向上させる機会と考えます。

中国の宿泊客は室内の備品やサービスなど細かいことはあまり気にしないのか、それとも口に出すのが億劫なだけなのかわかりませんが、明らかな問題点が多いのに、大家からは改善しようという意識がまったく感じられませんでした。 私のクレームに、大家は怒らないのでしょうか。

満足度の高い民泊

“北大资源夢のまち”は高層ホテルと民泊が立ち並ぶ新しい町で、数百メートルしか離れていない場所に、42㎡で1日96元(前の民泊より50円高い)の2軒目の民泊を簡単に見つけました。

左側のビール       高鐵駅の広場

この民泊のビルは商店街の端にあります。他の建物とは少し違った外観で、内部は整然としており、数基のエレベーターは異なる層ブロックに分けられたので、混雑や長い待ち時間の問題は起こりません。

この民泊の予約は前日の夜に行われ、翌日の午後3時以降にチェックインできるはずでしたが、一つ目の民泊は12時までにチェックアウトしなければならいので、私たちは数時間スーツケースを持ったまま行く場所がない状態になりそうです。

いつも迅速で心のこもった対応をしてくれる新しい大家さんは、「前日の宿泊客がチェックアウトした後、できるだけ早くスタッフに部屋の清掃させると言ってくれました。

2件目の民泊

12時前、私たちは1軒目の民泊からそのまま2軒目に入りました。インテリアはシンプルですが洗練されていて、備品も設備もよく整えられていました。居心地の良い部屋に私たちは外出をせず、のんびりと寛ぎました。

コーヒーを温め、お湯を沸かすスタンド
台所
食器と炊事備品

民泊サイトで、価格、立地、設備、写真からこの2つの民泊の違いをほとんど見分けられませんでしたが、実際に入ってからの体験は随分異なりました。二つ目の経験がなければ、最初の民泊が私の貴陽の民泊に対する印象だったでしょう。実際、ハード・ソフトの両面で、それなりの良い民泊があることがわかりました。

国内旅行経験が多く、民泊に泊まるのが好きな友人は、「たいてい1日だけネットで予約し、泊まってみて良かったら更新する、満足できなかったらすぐにそのエリアで2軒目を探す。この方法で失敗したことがない」と話してくれました。

本文中国語バージョン


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