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日本での車の旅

Vol 43 

中国にいる60代の知人から、日本でのライブ旅行の計画が送られてきて、私の意見を聞きたいと言われました。

東京から鎌倉、熱海、伊東半島、山中湖、戸隠神社奥社の杜、白馬、松本、上高地を経由して、下呂、名古屋、京都、和歌山、奈良、岐阜の馬籠宿を巡る12日間の旅で、帰国便の前日にまた静岡か箱根、あるいは東京近郊に観光する計画でした。

中国語の日程表
日程表から作ってみた地図 色ごとで一日の予定を表す

日本の半分にまたがり、道中には多くの自然や文化的な見どころがあるこのルートは、詳細な情報調べと道路距離の綿密な調査の結果と思われます。走行距離は1日あたり100kmから300km以上なので、理論的には計画通りにこれらの場所を訪れることができるはずです。

しかし、全体的には、この旅は予定された観光名所を車で回るだけのもののような感じでした。 複数のエリア内の見どころをじっくり見たり、それぞれの場所の魅力を理解し体験したりする時間はほとんどありません。

旅行の本来の目的が日本での車ドライブを体験することであれば、体力に問題がない限り、日本の山間部や市街地、高速道路をドライブすることは新鮮で楽しい体験になるでしょうが、旅行計画というのならば、日程は過密で楽観的すぎると思われます。

例えば、鎌倉や熱海は個性豊かな小都市であり、狭い路地や海沿いを散策し、観光客に溶け込み、その土地の文化と雰囲気を味わい、沿道の風景や建築物をじっくりと堪能することが旅の醍醐味です。しかし、一日で、鎌倉、熱海、伊東半島を回ってしまえば、観光地に深い印象と感動は得られるでしょうか。

白馬や下呂は歴史ある温泉街なので、温泉施設に入って温泉を楽しむだけでなく、のんびりと温泉街を散策するのも、日本人の温泉旅行の一部で、それを験してほしいものです。

下呂から京都までは名古屋経由で5、6時間かかります。下呂から名古屋までの距離はそれほど遠くありませんが、高速道路と一般道の時間差はあまりなく、名古屋から京都までの2、3時間とほぼ同じです。または、車での京都市内観光は公共交通機関ほど便利ではありません。
このような状況で、昼間に観光する時間はそう多くなく、 夕方には京都の繫華街の夜景を見ることができるでしょう。

または、上高地と戸隠奥社の杜は、山奥に広がる自然の景観であり、観光方法は森の中を足で歩くハイキングで、見どころを往復すると数時間かかります。

中国の団体ツアーについて、"バスの中で寝て、途中休憩はトイレへ、観光名所で写真撮影し、家に着いたら何も知らい "というジョークが広がっていました。車のドライブ旅行の魅力は、団体ツアーとちがって、余裕のある時間、洗練された中身、その土地にどっぷり浸かるような旅にすることのはずです。その旅程を見ると、旅行者は毎日車に長時間揺られ、次の目的地へ急いでいます。これは団体ツアーとどう違うのでしょうか?

団体ツアーに比べ、このようなドライブ旅行で得られた日本の印象は、おそらく、より多くのお金を費やし、より多くの場所を回り、より多くの疲れをためってしまったと予想されます。日本の利便性やサービスは良いですが、70歳近くの外国人旅行者として、そのような旅に体が耐えられるでしょうか?

昨年末、中国の親友夫婦が旅行で来日しました。 彼らの日本滞在期間は上記の知人と同じでしたが、旅行の距離は上記の1/3程度でした。親友の夫は写真愛好家であり、彼らは、自由でリラックスした、深みのある旅をしたいということでした。

富士山の麓の河口湖

次回は、彼らの旅行についての詳細を紹介します。

親友たちの観光ルート

景色写真の提供:黄勇

本文の中国語バージョン



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