大人の恋心

星が走っている
新宿の天井の間を茶化して擦り抜けながら

鳩尾の地中500メートル
熱風に乗った湯気が喉まで上がって来て
私の錨になる

同じ齢 MちゃんとYちゃんの静寂は
覗き窓から見たら嵐
欲しいもの愛されたもの好きなもの労られたもの焦がれたもの
糸数本の掛け違いの面前で突風になる

風だった私は台風の目のなか
青い星屑に装飾されて
青い真綿でくくっと心臓の隅を締めつけられて
青いようなマントに抱きかかえられている
迷いと雑じり気がない空き地で
それは3歳の私が知っていた場所

でも私達
フランスの巨匠なブランジェリーカフェで
草餅と煎茶のような井戸端会議をやっている四人組みたいに
きっとまた集ってる、40年後

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