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りばいばる#099 ジャパンフェスティバル 2017 トントン紙相撲企画倒れに終わる

これは2017年10月11日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。

先日2017年10月8日(日)

日系企業に勤める日本人の方々が多く住んでいるオランダのアムステルフェーンというアムステルダムの隣町で毎年行われているというジャパンフェスティバル2017に出店させてもらって来ました。

ジャパンフェスティバルは2009年に初回を迎え、2012年、14年、16年と続き、2017年の今年で5回目を迎え毎回その規模が大きくなって来ている日本とオランダを結ぶ注目のイベントだそうです。

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出店のきっかけは僕のオランダでの事業の中枢部分「日本人ドライバーサービス in オランダ」の広告を出させて頂いているオランダの日本人向けのフリーコミュニティ誌「mooi-mooi」さんが今年初めてジャパンフェスティバルに出店されるということで、広告掲載している協賛社に出店のお声掛けを頂いたので、とにかく何でも経験しようという想いから「やります!」と即答し、実現した次第です。

以前ライデンで行われたJapan Marktに出店されていた日本食のテイクアウトのお店「Tokyo Kitchen」さんの食材を車で運ぶ依頼を頂いた際に現場の来場者数の多さを目の当たりにした時から、日本絡みのイベントは人が集まると実感していたので、何かしらビジネスチャンスが転がっているのではないか?と画策することにした訳です。

食べ物販売は実際に店舗販売を行っているお店限定ということだったので、うちのおかんが趣味で製作している着物生地を使用した和柄小物をオランダでの商売の足しにとくれた品物の数々を、日本好きが集まるイベントで販売しない手はないと、メインはおかんのハンドメイド和柄小物販売に決定!

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着物生地で作ったタペストリーやクッションカバー、ランチョンマットやガマ口財布、それに日本の花をデザインしたブローチや髪留めなど、ありがたいことに原価はおかんの気持ちということで、売上はダイレクトに反映されます。

ただハンドメイド小物販売だけだとお客さんも売る側の僕等も退屈すると思い、もう一つ出し物を考えることにしました。

そのライデンのJapan Marktを観察した時に発見したのが子供が楽しめるものがほとんどないということ。

日本のお祭りではヨーヨー釣りや金魚すくいにスーパーボールすくい。射的に輪投げにくじ引きにスマートボールなど子供が夢中になるコンテンツが盛り沢山なのですが、Japan Marktでは一切ありませんでした。

実際に我が家も4姉妹を連れて行ったのですが、特に何に興味を示す訳でもなく出店しているブースを一通り見終わるとすぐ飽きてしまったので、このジャパンフェスティバルはそこに勝機を見出すべく、日本のお祭り屋台のエンタメをオランダに持ち込めば、その道のパイオニアになれるのでは!?とニヤニヤしながら企画を練りました。

まずはうちの子達も大好きなスマートボールのあの台をググりましたが、1台なんと約5万円前後!!

しかも日本で仕入れてオランダへ送るとなるとどえらい金額になるので即却下。

日本のお祭りのスマートボールの屋台には8台ぐらい並んでいるので、あれはリースなのか設備投資なのか?いずれにせよ減価償却するのに1ゲーム300円として1台当たり約167回遊んでもらわないと元が取れません。

ん?いろんなお祭りに出店し続ければなんかいけそう??? その都度場代や景品代もかかりそうですが・・・

金魚はそもそもオランダで探す方が難しそうです。

ヨーヨー釣りはオランダでも時々見かけるし、エキサイティング度に欠ける気がします。

射的やくじ引きや輪投げは商品を用意するのが大変そうです。

そんな中、この夏ドライバーサービスを利用してくれた観光で来られた日本人のご家族に相談したところ、「紙相撲なんてどう?」という意見を頂きました。

「紙相撲!」

僕の世代は小学生の頃男子の間でキン肉マン消しゴム(略してキン消し)が大流行し、同じマンションの子達を集めてはクッキーの円柱型の缶カンを土俵(リング)に見立てて、紙相撲ではありませんが、キン消し同士を立たせて缶をトントン叩いてキン消しが振動で動き、偶然組み合う姿にエキサイトしたのを思い出しました。

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「これはイケる!」オランダ人の子供達がトントンし熱狂する姿が目に浮かびました。

そんなこんなで土俵と厚紙の力士を用意しようと思いながら準備を先延ばしにし続け、結局ジャパンフェスティバルの前日慌てて土俵を置く為の台を日曜大工で作り、ダンボールの土俵と厚紙の力士を準備し、景品は以前ご紹介した起業家の為の業務スーパーMakroで見つけたチュッパチャップスのタワーを購入しました。

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1ユーロで3ゲーム。2勝すればチュッパチャップス2本、負けても1本。対戦相手はうちの娘達、もしくは長蛇に列が出来る様なことがあればお客さん同士でバーチャファイターばりに対戦していけばいいんじゃね?ということで、当日現場の雰囲気を見ながら運営しようと得意の行き当たりばったり感満載です。

結局ギリギリの準備でほとんど寝られず当日を迎えてしまいました。

フェスティバル会場となる広場に小さめのステージといくつも白いテントが設営され、一際大きな白い建物の中に食べ物屋さんのブースとメインステージが設営されていました。

そのテント群の一画にmooimooiさんのテントブースがあり、そのテント内を4店舗がシェアしつつ、mooimooiさんが冊子と起業組のチラシや名刺を配ってくれるテーブルが設置されました。

運営側の配慮で風の影響を受けない様、テントの奥側を譲って頂き、ハンドメイド和柄小物を妻がレイアウトし、子供達に用意して来た簡素な弁当を食べさせ、トントン紙相撲をスタンバってお客さんがやって来るのを待ちます。

お昼頃から何となく人がやって来てふわっとジャパンフェスティバルが始まる感じでしたが、みるみる人が溢れて来て止まることなく各テントに人が入れ替わり立ち代わりやって来て、ジャパンフェスティバルへの関心の度合いが高いのを肌で感じることが出来ました。

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特にたこ焼き屋さんや、やきそば販売などは人気で夕方頃まで列が途切れることがありませんでした。

トントン紙相撲の方はと言うと、イメージでは子供連れの家族がやって来て子供が紙相撲の土俵に興味を示し、すかさず娘達にデモンストレーションをやらせてゲームを促そうと想像していたのですが、子供の高さに合わせて作った台は大人にとってはただただ邪魔なだけで、A4の画用紙で即席に作った小さな看板にも誰も目を向けず、これはいかんと紙相撲の土俵を台ごとテントの外に持って行って看板をこれ見よがしに通行人の目線に向けるもほぼ素通り状態。

隣のテントに目を向けると無料のヨーヨー釣りに子供が群がっていて盛り上がっている様子。

ノリで何人かの大人に「レッツ トライ!」とか言って紙相撲に目を向けさせるも「これは子供がやるものでしょ。」とスルーされてしまう始末。

知り合いの日本人をつかまえて娘とデモンストレーション紙相撲を無理矢理させたり、僕自身が娘とデモンストレーションするも小さな土俵上のバトルには道行く人は誰も気付かず。

1時間程して誰もやらないと判断し土俵を台ごと撤収。景品用に用意したチュッパチャップスを3本1ユーロで販売することに速攻切替えました。

こうしてフックとなるはずだったトントン紙相撲は誰にも気付かれぬまま企画倒れに終わり、あえなくその幕を降ろしましたw

失敗の要因はそもそも宣伝に力を入れていなかったことと、お金を払って見た事も聞いた事もないゲームにチャレンジするような人はほぼいないということに気付かなかったこと。

奇をてらうあまり今まで誰もやっていないことをやればみんなが食い付くんじゃないかという妄想を抱き、ビジネスの世界でも大概失敗してしまうこのパターンを実行してしまったことです。

やるならトントン紙相撲は無料にしなければいけなかったですが、そもそもの規模感が小さ過ぎたのと、無料にしたところであまりにもマイナー過ぎてそれでもやってみたいと名乗り出てくる子供はいなかったでしょう。

まあ現場で実践したから言えることで、これは失敗データとしてストックすることにしました。

チュッパチャップス3本1ユーロにしてからは少なくとも10組以上の家族連れの方々や子供達が購入して行ってくれました。

もうジャパン関係なくなっちゃったよ!(ハライチ風)

ハンドメイド和柄小物の方はと言うと、ブローチを一人で大量に購入してくれたアジア系の女性をはじめ、クッションカバーやタペストリーなどちょこちょこと動きがありました。

この辺りは値段設定が難しく、安過ぎたらチープに見えてしまう気がするし、高過ぎたらそもそも買おうと思わないでしょう。

おかんのハンドメイド作品のブランディングもしつつ、そんなにポンポン売れる商品でもないのでひたすら店先で我慢が必要な販売品です。妻が最後まで立ってがんばりました。

どこのテントやブースでも販売員はほぼほぼ立ちっぱなしなことに妻が気付き、ここで日本人の律儀さを垣間見ることが出来ました。

日本はお客さんが立っているのに販売員が座っているのは失礼に当たるという概念が広く刷り込まれていますもんね。

トータルの売上はチュッパチャップスのタワーの仕入れや交通費、ブース出展料などの経費を引いて、おかんの原価なしの商品提供のお蔭で何とか少しプラスという結果になりました。

それにしてもテント内にはひっきりなしに人がやって来て、いろんなマーケットに出店しているというベテランの方達も声を揃えて「良く売れた!」と言うぐらい全体的にジャパンフェスティバルは大盛況でした。

僕と妻は眠くてフラフラになりながら、他のテントやブースをゆっくり見て回るような余裕もなく、ひたすら退屈する4姉妹の相手をしながら、イベントが終わりかけの時に僕だけ大きい白いテントの会場に入り、からあげ棒や寿司セット、濃厚鶏ミニラーメンなんかを買って来てはこっそり食しました。やっぱりどれも美味しかったです。(買ったお寿司のシャリはベチャっとしていてイマイチでした。あくまで個人の見解ですが。)

前日ほとんど寝れなかったこともあり、とにかくめちゃくちゃく疲れた一日でした。

来年また出店のチャンスがあればやりますか?と聞かれれば、別の企画を立案したいかもと思う反面、フラっと立ち寄るお客さん側で充分かなという気もしました。

とにかくなかなか出来ない貴重な体験が出来てまた一つオランダでの経験値が上がった一日でした。

翌年からは出店条件が厳しくなったりでジャパンフェスティバル参戦は2017年だけになり、去年2020年からはご存知コロナウイルスの影響で人が集まるイベント全般が中止に。

きっとまた違う形ででもこういったイベントが復活すると思いますので、またいろいろチャレンジしたいと思います。

オランダサポート_20201128

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