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りばいばる#037 Do you know シンタクラース?

これは2016年12月6日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。

2016年11月24日(木)
朝子供達を学校へ送って行ったら、8:20になっても校舎の扉が開かず、生徒達が教室を覗き込みながら興奮気味に何やら口々に叫んでいました。

人垣の間から薄暗い教室を覗くと、何と泥棒に荒らされたかのように、どの教室もイスやおもちゃやトイレットペーパーなどが散乱していて、少しの間娘達と呆然としていました。

娘達の送迎は自然と無職状態の僕の仕事になっており、何とか中学英語で先生達とコミュニケーションを取っている状態なので、騒然とした雰囲気の中、誰かをつかまえて何があったのか?聞く勇気もなく、その内校舎が開放され子供達がなだれこんで行きました。

まず長女のクラスに行ってみると、子供達がみんな片方だけの上履きをはいて、荒らされた教室の前で先生が何かを歌い出し、それに続き大合唱が始まりました。

「?」となりながら、そこは長女に任せ、今度は次女の教室に行ってみると、やはりいつものロッカーに上履きが片方だけしかなく、訳も分からぬまま片足がくつ下のままの次女と教室に入って行くと、子供達と先生が散乱したおもちゃを片付けだしたので、それにならいました。その散乱した教室の中央に子供達の上履きのもう片方はありました。

どうやら昨晩、シンタクラースが白馬アメリゴに跨がって、ピート達と子供達におもちゃやお菓子を届けてくれて、プレゼントの替わりにいたずらもののピート達が教室を散らかして行ったとこういう訳でした・・・

日本ではまったく馴染みのない「シンタクラース」

シンタクラースは元は3世紀後半に実在した司教・聖ニコラスだと言われていて、真っ赤な冠とマントに長い真っ白な髪とひげをたくわえています。
「セントニコラス」をオランダ語で「シンタクラース」となるそうで、シンタクラースの命日である12月6日をシンタクラース祭として祝う習慣を17世紀アメリカに渡ったオランダ人が伝え、「サンタクロース」と訛って広まったという説もあるそうです。

11月中旬になるとピートと呼ばれる黒塗りのたくさんの従者達を従え、スペインからおもちゃやお菓子を乗せた蒸気船でオランダにやって来ます。
子供達は裏口や煙突などに自分の靴の片方に白馬が食べる為の人参などを差しておいて、いい子にしていたら夜中にシンタクラース一行がやって来てお菓子などを靴の中に入れておいてくれるのです。

翌朝人参がなくなっていたら自分達の所にもシンタクラースがやって来た!と子供達は大喜びするという、オランダではとても重要な行事だそうです。

聖ニコラスが貧しい子供達の為に自分と分からぬ様扮装し、子供達の家の窓から金貨を放り込んで、それがたまたま暖炉脇に干してあったくつ下に入っていたという言い伝えにつながったと言われているそうです。

現地のTVでもシンタクラースチャンネルがあり、毎日シンタクラースやピート達の動向を伝えていたりします。

11月の初め頃、長女のクラスメイトの女の子のお母さんが妻に「どこから来たの?」と流暢な英語でしゃべりかけて来てくれてから、親切にあれこれ教えてくれるようになりました。

教室の前に時々張り出される紙は、保護者ボランティアの募集なので、最初のうちは積極的に参加した方が学校のことがよくわかるわよとか、積極的に先生にはうちの子はどうですか?と尋ねた方が注意して見てくれるよとか、分からないことがあったら何でも聞いてよとうれしい交流が出来たようで、早速フェルトを切る作業のボランティア募集の紙に妻が名前を書いたのですが、その日は保護者ボランティアによるオランダ語講座もあるということで、急遽フェルト作業の代役に僕が行ったのですが、その時に担当の先生から

「Do you know シンタクラース?」

と聞かれ、「サンタクロース」と聞き間違えた僕は
「ヤーヤー オフコース!」
と答えてしまったのですが、後々あれはシンタクラースのことだったんだと気付いて自分の中で知らないのにウソを言ってしまったと、しばらくクヨクヨしていましたw

2016年12月5日(月)
学校に行くと今度もまた誰も校舎に入らず、高学年のクラスの生徒達が朝礼台の様な台の上で「マカレナ」などを踊っていました。

校庭にはテープが引っ張られていて、しばらくするとサイレンを鳴らしながら黒塗りのピート達がプレゼントを乗せたスーパーのミニカーに乗って口々に何か叫びながら校庭を往復し始めました。

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それからしばらくすると学校の外にトラクターで引かれた台車にシンタクラース一行がやって来て、校門から子供達と握手をしながら歩いてくるではありませんか!

もう子供達、特に小さい学年の子達は大興奮でおっかなびっくりシンタクラースと握手をし、神のご加護を祈ってもらっていました。

内の子達はシャイなのでなかなか握手しに行けず、肩車していた連れて行った三女にシンタクラースが何やら話しかけてくれていましたが、内容は分かりませんでした。

その日学校はお昼までで娘達に後で聞くと半日シンタクラースとピート達が学校にいてくれたようで、アナ雪のカードゲームをもらって帰って来て、夜はオレンジの画用紙で人参を作り、靴の中に差して眠りにつきました。

シンタクラースは我が家にも来てくれるでしょうか?

日本では12月24日のクリスマスイブの夜中に真っ赤な衣装のサンタクロースがトナカイの引くソリでやって来て、子供達はおもちゃを貰えるという風習で定着していますが、なぜ11月中旬と12月5日の2回に別れているのか?なぜサンタクロースは12/24の夜になったのか?またオランダのクリスマスには別でサンタクロースがやって来るのか?まだまだ世界は知らないことだらけです。

シンタクラース、オランダでは国王の日と並ぶ一大イベントです。
今年はコロナで保護者は学校へ入れなかったり、街中のシンタイベントも軒並み中止になってしまいましたが、子供達にだけはちゃんとシンタクラースが来てくれたようです。

グループ7(日本の5年生)の長女のクラスでは、シンタクラースは偽者だ!と言い出す男子などが出て来てクラス内が騒然としたらしく、長女も「でもどうやってシンタさん達は家に入って来るの?」と直球質問をぶつけて来たのですが、
「実はちゃんとマンションの管理人さんに鍵を借りてるんちゃうかなぁ?」という回答に「そっか!なるほど!」と納得してくれましたww

どこまでイケるかがんばりますw

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