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りばいばる#093 村上家のスペイン珍道中 2017 ~7日目 サロウ→バルセロナ エンストしたら終わりやで~

これは2017年9月7日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。

2017年7月25日。スペイン滞在7日目。
午前中にバルセロナへ向けて出発する為、ホテルの駐車場に停めた車のエンジンをかけようとキーを回すと「カカカカ」と空回りのものすごく嫌な音。そうなんです、まさかのバッテリーあがり!

何度キーを回しても力なく「カカカカ」と乾いた力ない音が静かな駐車場に鳴り響きます。

この数日間エンストしまくったのが影響しているのか、気になっていた車のディーゼルの硫黄臭が関係あるのかどうか原因は不明ですが、室内灯などを点けっぱなしにしていた訳でもないのに6日目にして恐れていた車両トラブル発生!

子供達は母に任せ、ホテルの中庭で遊ばせて時間稼ぎしつつ、ホテルのロビーを陣取って、レンタカー屋Hertzのパンフレットにあるトラブルの際の電話番号に電話をかけるもフリーダイヤルの為僕等のスマホからは繋がらず。

ホテルのフロントに何とか伝えてホテルの電話からかけてもらうもやはり繋がらないとのこと。

いや緊急連絡先ちゃうんかい!

いろいろ調べていると、そのレンタカー屋のHertzの営業所がなんとホテルから300mの所にあるのが発覚!

妻と2人で小走りで営業所に出向き、そこにいた男性スタッフ2人に事情を説明するとバッテリーケーブルを持って営業車両を走らせ駐車場に来てくれることに。

駐車場に着いたスタッフは手慣れた様子でレンタカーのボンネットを開けて、営業車両のバッテリーと赤と黒のケーブルで繋いでキーを回すとすんなりエンジンがかかりました。

バッテリーの異常を知らせるランプが赤々と点灯したままでしたが、「走っている内に充電されるからエンストしないように気を付けて走っていればその内ランプは消えるよ。」とのこと。

「グッドラック!」と言って颯爽と去って行ったHertzのスタッフの後ろ姿を見送り、とにかくノンストップで最終地のバルセロナへ行こうということで、かつてない程クラッチさばきに意識を集中させて車をスタートさせました。

このレンタカー、1日最低2回はエンストさせているという実績を誇る、なかなかクセが掴めないマシンということで、この旅始まって以来の緊張感に包まれます。

ここでマニュアル車のことがよく分からない方達に少し説明を。

マニュアル車はアクセルペダルとブレーキペダルの他にもう一つ、左足で操作するクラッチペダルがあり、スピードが上がるごとに1から4~6段階のギアを手動で切り替えて行くのですが、ギアを切り替える時に必ずクラッチペダルを踏まないといけないのです。

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歯車の力を利用して力強い歯車から高速用の歯車へ速度によって切り替えるのですが、車が停車している状態から動かす時は一般的にクラッチペダルを踏んだ状態でギアを1速に入れて、アクセルを踏みながらゆっくりクラッチペダルをゆるめて(半クラ)行くと、回転するエンジンから徐々に小さな歯車に力が加わって行き、タイヤをゆっくり動かすことによって車を進めることが出来る訳です。

この時いきなりクラッチペダルから足を離してしまうと回転しているエンジン側のクラッチと停止している側のクラッチがぶつかってエンジンが停止してしまい、いわゆるエンストを起こしてしまうのです。

この仕組みを自動化、いわゆるオートマチックにしたのがオートマ車で、アクセルの踏み込み状況で自動にギアが切り替わるのでクラッチペダルもなく、アクセルとブレーキだけの操作はまるでゴーカートの様で運転が非常に楽チンなのです。

本当はいけませんが、オートマ車なら片手でハンバーガーを食べながら運転することも可能ですが、マニュアル車の場合は片手はハンドル、もう一方の手でギアを動かし、右足でアクセル&ブレーキ、左足でクラッチペダルを操作しなくてはいけないのでかなり忙しいのです。

僕は特に車に興味がなかったので免許を取りに教習所に通い始めた19歳の頃初めてマニュアルの仕組みを知りました。

最初はこの半クラがなかなか理解&マスター出来ず、すぐエンストしたり、車を発進させる度ガックンガックンと車体を揺らしてしまっていました。

道の真ん中で止まってしまっている車はたいがいエンストしていて「ダッセー!」と思われてしまうので、半クラ技術は男としての沽券に関わるのです(笑)

このクラッチの癖は車によって様々で、コツをつかむまでしばらく運転時間を要するのですが、慣れてしまうとちょっとしたメカを操縦している感があって、人によっては特に楽しいと感じる人が多い気がします。

かつて僕も初めて買った車はこだわりの軽のマニュアル車でした。

というわけで、信号で停まって発進する度、言葉の通じない国で慣れないマニュアル車をエンストさせてはいけないというプレッシャーと、スタート早々エンストさせてはさすがに笑い者&再びHertzの営業所に歩いて行きもう一回バッテリーをつなぎに来てくれというのはあまりにも恥ずかしすぎるという嫌な想像が頭の中をよぎるのと必死に戦いながら、何とか高速道路に乗り、一度も止まることなく約100kmちょっとの道のりをバルセロナまで走り切りました。

ですが、100km以上走ってもバッテリー警告灯は点灯したままで、やはりエンジンを止めればそこで立ち往生してしまうという判断から、バルセロナ市内に入ってからもエンストしてはいけないプレッシャーとの戦いは継続され、まずはホテルにチェックインしてからネットで調べたHertzのバルセロナの営業所に車を交換してくれるよう交渉しに向かいました。

Hertzの営業所の近くにあるグルグルひたすら下って行く契約駐車場の地下5階まで慎重に車で下りて行き、常駐しているHertzのスタッフに事情を説明しましたが、「明日返却だろ?だったらこのまま乗っていてもノープロブレム!」と取り合ってくれず、今度はグルグル慎重に地上へ上りながら外に出る坂の終わりでガクンと、とうとうエンストしてしまいましたが、バッテリー警告ランプは点いているもののキーを回すとエンジンがかかったので、首を傾げながらそのまま街中をドライブしました。

バルセロナ市内の至る所で見かける2階建て観光バスの停留所が集中している付近の地下駐車場に車を停めて、ベタに2階建て観光バスに乗ることにしました。

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観光バスはあのサグラダファミリアを含むバルセロナの東側を回るグリーンコースと西側を回るオレンジコースの二つあり、即興で立てた計画としてはこの日西側のオレンジコースを回り、明日最終日東側のグリーンコースに乗り、サグラダファミリアで有終の美を飾るというものでした。

2日券大人一人39ユーロ×4人分と子供20ユーロ×2人分(4歳以上から有料)を親父に払ってもらい、2階建てバスに乗り込みました。

オープンになっている2階の座席がうまいこと空いていたので占領し、ようやく観光らしい観光が出来るとホッとして腰を降ろしました。

真っ赤なかわいいイヤホンが配られ、バスの壁のソケットに挿すと音声ガイドが流れるのですが、日本語を含む全17カ国語の音声が用意されていました、さすがバルセロナ!迷わず日本語を選択しバルセロナの街を走ります。

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自分が運転せず、ゆっくり景色を眺められ本当にホッとしました。

コース一周45分ぐらいだったでしょうか?しばらくすると景色なんぞに興味のない4人のガキどもがわさわさし始め、「飽きた~」だの「まだ~?」だの騒がしくなって来たのを制す為にしゃーなしで渡したスマホに景色そっちのけで夢中になって時間を稼ぐいつものパターンでした。

西側オレンジコースを一周し、早くもバルセロナを堪能したかの様な錯覚に覚え、最後の晩餐とばかりに夕食はパエリアが食べれそうな雰囲気の良いお店に飛び込みました。

お目当てのパエリアはもちろん、パスタやサラダや魚のムニエルや何やらのカルパッチョなど何やかや気になるメニューをオーダーし、スペイン料理をたらふく堪能しました。

アレルギー持ちの長女はフライドポテトしか食べさせてやれず可哀想でしたが、ホテルに帰ってチンの赤飯をペロリとたいらげていました。

スペイン旅行の最終地点バルセロナの宿泊は少しだけ奮発してDeco Eixample Apartmentsという街中のホテルを押さえていました。

部屋は最上階の白を基調とした横長の造りで、バスルームが二つにベッドルームもたくさんあったので使い切れない部屋もあって少しもったいなかったですが大満足。

窓からのぞくバルセロナのストリートが良い感じでした。

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偶然フロントの女性の方が日本に留学経験があったそうで少し日本語対応してくれて何だかうれしかったです。

問題の車は相変わらずバッテリー警告灯が点灯したままでしたがエンジンはかかり、ホテルの目の前の駐車場に停めて7日目が終了。

いよいよ明日が最終日です。

このスペイン旅行の初回にも書きましたが、バルセロナなど特に、本当は現地在住日本人ガイドさんなどに頼んで案内してもらったり、美味しいレストランに連れて行ってもらったり、上手く利用した方が良かったかな?と思いつつ、あまり相性が合わない人だった場合はお金と気を遣うだけになってしまうなあとか、あれこれ色々考えてしまいましたが、そんなことも引っくるめて良い体験となりました。

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