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市役所は水曜日が休み?@デンマーク


デンマークは電子国家として有名で、ほとんどの手続きがオンラインでできます。私のような留学生でもCPRナンバー(日本でいうとマイナンバーが近そうです)が付与されます。これに加えてNemIDを受けると、オンラインの恩恵が受けられる仕組みです。しかしこのNemIDをもらう時だけはCommune(コムーネ: 日本でいうと市役所や区役所)に出向く必要があります。

平日は朝から15時くらいまで授業があるので、授業を休まずに行ける日があるかどうか調べました。2020年はコロナ禍ということもあり、役所へ行くのも何か制限があるかもしれないと思ったらやはり予約が必要でした。(もしかしたら普段も予約が必要か、予約が推奨されていたかもしれません)開庁時間を調べると…

窓口時間
月曜日、火曜日 10:00-15:00
水曜日  閉庁
木曜日  10:00-17:00
金曜日  10:00-12:00

水曜日はお休みってどういうこと??
日本で役所の窓口業務は月曜日から金曜日の8:30-17:15が一般的かと思います。平日に休みが取れない人のためのサービスとして土日に臨時開庁をしてくれる時もあります。

それに比較するとデンマークの市民サービスは時間がとても短い! しかも水曜日は閉庁って何をやっているのか?

おそらく水曜日は窓口業務を行わず、付随するペーパーワークを行なっているようです。市民に対応する日とそれ以外の日を明確に分けているのですね。また予約制なので思わぬ市民が来て長時間手をとられるということも減り、仕事が効率的に進みそうな気がします。なんとなくデンマークらしさを感じます。

日本ではこのところ学校におけるモンスターペアレント、病院におけるモンスターペイシェントなど本来業務に支障を来すほど苦情をおっしゃる方が増えています。これらの組織も面談が予約制だとそのハードルも上がるためモンスター○○に悩まされる頻度は減りそうです。そうなれば職員のストレスも減らせるかと思います。

とはいえ、市民としては確かにちょっと不便です。仕事を休まないといけないじゃないか!という苦情が日本では出そうです。デンマークでは、与えられたJobが与えられた期間内に終えられるのであれば自己裁量で休暇を取れるそうです。生活に必要なための手続きであれば仕事を休んで出かけるのが当然なのでしょう。

日本の市役所の開庁時間を短くして、業務の効率化を図るには、社会のあり方を変える必要があるわけですね。

もう一つ忘れてはいけないのは、デンマークの行政がいかに電子化しているか?ということです。電子政府に関してはエストニアが有名ですが、国連の経済社会局(UNDESA)の調査では、2019年、2020年と2年連続1位なのがデンマークです。転居、税金、医療関連、離婚などほとんど手続きはオンラインでできるそうです。(日本は同年10位→14位へ後退)

例えば引越しの場合、2週間以内にオンラインで行えば良いなど、市民にとっての利便性が高いです。忙しい時にわざわざ市役所に出向かずとも、生活が落ち着いた時に自宅から届出ができるとすると便利だし安心感があります。

デンマークは「世界一幸せの国」として説明されることが多いですが、こういった社会システムが整っていること、デジタル化により不正がしにくい社会であること、そのことにより市民は行政や政治を信頼でき、幸せが生み出されていると言えるかもしれません。

「幸せの国」と「電子政府」の2つの顔を持つデンマーク。短期間でもデンマークで「暮らす」ことにより幸せと電子化の繋がりについて理解が進みました。

余談ですが、窓口業務は建物の1Fで行われていて、シンプルな机と椅子が置かれています。まるでオフィスのショールームに来たような素敵さ。書類の山、みたいなバックヤードは全く見えません。これは個人情報を守る意味でもいいシステムですね。なんとも羨ましい労働環境でした。

もし機会があれば、デンマークのCommune(コムーネ)を見学してみてくださいね。

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1. そんな!いいんですか!? 嬉しいです!! フォルケホイスコーレ作りのための勉強に使わせていただきます♪