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一緒に過ごそう、一緒に食べよう―『百年厨房』を読んで

毎月第一・第三木曜日はたべるば公式noteの日!
今回は、一週遅れですが、それもそれでたべるば公式noteの日!

こんにちは、丁稚のハニーです!
今回は久しぶりに本のご紹介をしようと思います📚
なにせ、我々は「たべるば」ですので、せっかくなので「ご飯」にまつわる本(通称、ご飯本)の紹介しようと思います。
※連載中のタウン誌「あだち百景」2024年夏号にて、夏休みの読書に最適な(読書感想文を書きやすい)ご飯本を年齢別(幼児向け・小学校低学年向け・小学校高学年向け・中高一般向け)に紹介させて頂いたので興味のある方はぜひそちらもご覧ください!webでもそろそろ公開されるかな?

さて、今回ご紹介する本は村崎なぎこ作の『百年厨房 | 書籍 | 小学館 (shogakukan.co.jp)』2021年に第3回「日本おいしい小説大賞」を受賞したまさに「ご飯本」!
二つの地震を軸にしたタイムリープものではあるのですが、タイムリープが非常に自然、かつ、登場人物がみんな善い人!

余談ですが、大人になってくると「あまりにも性根が悪すぎるひと」が出てくるおはなしが読めない時ありませんか?現実を知りすぎたせいで、小説の世界でくらい善人しか会いたくない!となるとき…。この『百年厨房』は基本的に全ての登場人物に善性があり、みな、守るべきものの「優先順位」が解っています。なので、疲れた心でも安心して読めます。

閑話休題
『百年厨房』はその何もある通り、『厨房』がひとつの大きな役割を果たします。
そして、その厨房ではおいしい日々の「ご飯」が作られるのですが、この「ご飯」(だけでなく飲み物のある)がそれぞれの心に新しい選択肢を芽生えさせていきます。
日常のルーティーンは大切なものではあるけれど、そのルーティーンの隙間をこじ開けるようにして生活上の大小さまざまな事件が起こり、主人公のルーティーンはどんどん形を変えることを余儀なくされるのですが、その中心にはいつも「百年厨房」で準備された「ご飯」(たまに飲み物)があります。

中盤まで、ある程度の和やかさを持って進む小説ですが、後半からは怒涛の展開。
様々な「伏線」が一気に回収されていくストーリーテリングの鮮やかさには、「ご飯好き」だけでなく、純然たる「小説好き」にも「読んでよかった!」と思って頂けること請け合い!
約300頁と、ややボリュームを感じる見た目ですが、かなりすいすい、むしろぐいぐいと読むことができます。全く事前知識なしでも楽しめる作品ではありますが、小中で社会科が得意だったよ!という方には特におすすめ!
大人になったからこそ楽しめる「ご飯本」、ありそうでなかったこの一冊、梅雨明けのおともにぜひ読んでみてください♡

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