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救急車を呼ぶか迷ったら

先日都内の某劇場でのことです。

終演後、出口に向かって歩いていると、後方で「どすん」という音がしました。
音でピンと来ました。
「傷病者発生」の音だとピンと来たのです。

(あ、わたし、日赤救急員として活動し今年で30年目です。
1年間で平均10件の傷病者を救助しています。)


音のした方向へ駆けつけてみると、階段で女性が下方に向かってうつ伏せ状態で倒れていました。
状況からして、何らかの原因で頭から階段を落下したのでしょう。

詳細は省きますが、

今回あらためて感じたことがあります。

それは、

今回のように怪我人が発生すると、「大丈夫ですか?」と駆け寄り声がけしたり、近くで見守ったりと多くの人が集まります。
日本って親切で優しい人たちが多いですよね。

けれど、「次の一手」を出せる人が少ないかなと感じます。

傷病者を見下ろしながら気を揉んでいる、、、
こんな光景をよく目にします。
救急車を呼んだ方がいいのかどうかを居合わせた人たちで相談するけれど、結論を出せずにオロオロしている状況もよくあります。
例えば
勇気ある方が「救急車を呼びましょうか?」とご本人に訊いたとしても、ご本人が「大丈夫です」と気丈に答えてしまうと、意に反して救急車を呼んだ場合はのちのち不都合なことに巻き込まれてしまうかもと怯んでしまいますよね。

この「救急車を呼んでいいのかな問題」は、街中で傷病者に遭遇した場合だけとは限りません。
自宅で家族が急に具合が悪くなったり、怪我を負った場合も同じ問題が発生してしまうでしょう。

傷病者を発見したら、「次の一手」、すなわち、必要があれば救急車を呼ぶところまで行動しましょう。 
それが傷病者の命を救うために大切な一歩なんです。

救急車を呼ぶかどうか迷った場合の心強い味方がいます。
それは

全国版救急受診アプリ Q助

このアプリを開いて、傷病者の症状に関する設問に答えると、

・いますぐ救急車を呼んでください (赤信号表示)
・2時間以内を目安に医療機関を受診しましょう (黄色信号表示)
・家庭内での経過観察または通常診療時間での受診をすすめます。

というように即座に判断を下してくれます。

いますぐアプリをインストールしておいてくださーい。

ちなみに、119番通報した際は、必ず現場の住所を伝えてください。
住所が判明しないと救急車に出動司令が出ないからです。

路上だったら電柱に住所が表示されています。
近くに交差点があれば、信号機に住所が表示されています。
コンビニを目印にする場合は、コンビニの入り口に書いてある正式店名を伝えてください。
セブンイレブン だけだと、周囲に同店が何軒もあって住所を特定できないからです。


通報から救急車の現場到着までは全国平均で約9分。
医療機関への搬送完了までは全国平均で約43分。

居合わせたあなたが「次の一手」を打つかどうかで傷病者を助けることができると知っておきましょう。


と、今回は私の立ち位置不明な生活お役立ち情報でした。

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