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退職で過労

つーかーれーたぁぁぁぁ


3月末で退職し、4月中旬に風邪をひいて思いの外長引いて今に至る。
まさに
退職疲れ。

32年間も勤めれば、退職の報告やご挨拶したい方が大量にいらっしゃる。

最初は業界ごと、会社ごとに分けてお一人お一人にお目にかかってご挨拶していたがすぐに「このままでは退職日までに間に合わない」ことを悟り、直接がメールに変わり、LINEに変わり、それでも間に合わないのでグループメール、グループLINEを使い一斉連絡へと変えた。
不本意だったが仕方なかった。
退職日までに報告・挨拶を完了したかったから。
退職まで一か月を切ると、土日も含めて時間の限りを報告・挨拶に費やした。
それでも間に合わず、退職当日も会社へパソコンを返却する寸前までご挨拶メールを送信し続け、さらに社内各部署へお邪魔して挨拶をしてまわった。 最後は小走りで廊下を移動した。

激務。

どうしてこんなに大変だったのか。
それは、
理由①
報告・挨拶したい方の人数が夥しいから。

理由②
勤務先のITセキュリティ
仕事で接点のあった方とは会社のアカウントで繋がっているため。
セキュリティ上、退職日をもって会社のシステム使用権限が奪われるので、それまでに電子的連絡を済ませておく必要があるからだった。
厳密には、退職日の午前中に会社貸与のパソコンとiPhoneを返却する規定となっているのだ。
想像してみてほしい。
スマホもパソコンも奪われて大都会に放り出されることを。
そうなっては誰にも連絡がとれなくなる。

迫り来る退職日正午というリミットを感じながらひたすらご挨拶メールを送信する作業を通して「会社員は退職したらただのひと」であることと
「テレビ朝日の天野でございます」と名乗れるからこその32年間のキャリアだったことを改めて思い知り、会社名で下駄を履かせていただいていたことに改めて感謝した。
そして、これからは下駄を脱ぎ捨て素足で人生を歩んで行くことについて腹を括る作業ともなった。

それにしても疲れた。
退職するのも楽じゃない。

立つ鳥跡を濁さず。

これを目指した私だが、無理だった。

立つ鳥は多少跡を濁す。 

これでよくない?

そう思えたのは退職日のほんの数日前。

32年のテレビ朝日人生で最後の最後に学べたのは
完璧を目指さなくてもいい。
完璧を目指す。それはエゴだ。
完璧を目指しているうちは完璧には到達しない。
完璧でなくても良いと自分で自分を赦したときにはじめて味わえる実感がある。

そうだった。
私は完璧であることを放棄したはずが、長年のクセで最後にまた完璧を目指そうとしていたのだ。アブナイアブナイ。

退職の最後の時まで見守り助けてくださった多くの友人、同僚に感謝。
両親に感謝。

ひとまず、昨夜までの鼻水、鼻詰まりは解消した。ありがたい。


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