見出し画像

私が捨てられないものの話

これだけ毎日のように「要らないものは捨てようぜ!」と発信している人間ですが、そりゃ私にだって捨てられないものの一つや二つはあります。
というわけで今日はそういうもののご紹介を。
中でも特に「馬鹿だなぁ…」と思うこの1点に焦点を当ててみたいと思います。

■イタリア旅行で自分用に買った洋服

まず、私は洋服に全くこだわりがありません。とにかく着れればいい。センスが悪いと言われても全く気にならないし、とりあえず他人に迷惑を掛けないように洗濯だけはきちんとしとけばいいよね、てなものです。
毛玉がついてても人に指摘されない限り着続けていられるくらい。

そんな私に、唯一「着もしないのに絶対に捨てられない服」があります。親の形見とかではありません。

画像1

もうかれこれ××年も前、初めてイタリアに行った時の自分用の土産です。
フェラーリのその年のジャケット。
イタリアはローマのフィウミチーノ空港に降り立った瞬間に感じた高揚感、そしてそこで目に付いたこの鮮やかなオレンジ色に一発で心を奪われてしまいました。
そこのショップのお姉さんがまた可愛くて! このオレンジのシャツに細身の白いズボンを合わせてらっしゃって、今もその光景を鮮明に思い出せるほど。

イタリアに着いたばかりということは、今からたくさん買い物したり観光地に行くということです。お金を温存しておかねばならない時なのです。
なのに、私はなぜか飛びつくようにこのショップに向かいました。お姉さんと同じこのシャツが欲しくてたまらなかったのです。

しかし。
「ごめんなさい、生憎とサイズがSサイズしかないの」。
平均値より大きめの私(有体に言っておデブ)、М以上じゃないと都合が悪い。けどお店の人曰く、「Sしかない」「これ以上在庫はない」とのこと。
普通に考えて、私なら絶対に買わないはずなんです。
なのに、「Sでもいい、買います!」と即断即決。しかも、当時のレートで15,000円! 着もしないシャツ一枚に、1万円超え!?

しかも、どう考えても普段使いできるデザインじゃありません。
てか、どこに来ていくんだこんな派手なシャツ!

イタリアではさらに飲み食いして太って帰った私にこのシャツが着れるはずもなく。以来ずっとクローゼットで肥やしになっているのです。

■「1年間着なかった服は捨てるべし」と説いていますが…

断捨離の鉄則ですが、「1年間着なかった洋服は出番なし。潔く捨てましょう」とは、私も自覚して生きていますしお客様にもご提案しています。
でもね。もう××年も着ていない、どころか一度も着たことがない洋服なのです。
でも、これに関しては捨てる気はないのです。

私にとってこれは「洋服」というカテゴリーではなく、「思い出」であり、「旅の記録」であり、何年たっても捨てられない大切なもの。
捨てられない明確な理由、所有しておくだけの理由がきちんと説明できれば取っておいてもいいんです。

整理収納アドバイザーとして割と物を手放すことに抵抗のない私が、なぜかこれだけは「絶対に手放さない」と思っていること自体が自分でも珍しく、きっと理屈ではない、言語化できない何かがあるのだろうと、これだけはずっと所有し続けています。
そしてそのストーリーは子供にも聞かせています。着るために所有しているわけじゃないんだけどね、ママにとってはとても大事な思い出の詰まった一着なんだよ、いつか一緒にイタリアに行こうね、と。

それを聞かせていなければ、本当に「ただの無駄」にしかなりません。

もちろん、それ以外の洋服は適宜見直しをしているので、クローゼットに1枚くらい余計な洋服が吊るされていても全然余裕がある。だからこそ、「無駄な1着を持ち続ける」ことができているのですけども。

でも毎日の着替えのとき、衣替えの時、ことあるごとにこのシャツが目に付き、あの楽しかったイタリアを思い出してはほっこりできます。

無駄を楽しむには、余裕が要ります。
無駄を愛したいなら、まずは余裕を持ちましょうね。

そして私はこのシャツが着れるくらいの細身になりたいものです…。
でも飾っとくだけでも十分幸せ♡

もしサポートのご意思があるなら、お気持ちだけで。別の困っている方へ直接ご寄付ください。私と私の家族は元気なのでnote経由のサポートの必要はありません(*'ω'*)