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オタクの生前整理【リターンズ】7日目:目を背け続けた結果

オタクが「義実家」を片付ける実話です。

■屋根裏から出土したものたちをご紹介します

屋根裏に亡義父が子供たちの教科書をご丁寧にしまい込んでいる――という話は事前に聞かされていました。
屋根裏は、我々が踏み入ったら割れて落下する可能性もあり、しかたなく解体作業の最中に業者さんに降ろしてもらうしかない、ということになっていました。申し訳ない。

で、業者さんから「屋根裏の荷物を下ろし終わったので引き取りに来てください」とご連絡をいただき、この度それを引き取りに行ってきたわけです。

古紙だけなら近所の古紙回収ボックスに出せるからありがたいな…くらいに思っていたのですが。
世の中そんなに甘くはなかった…。

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帰ってきた主人の車はトランクがぎちぎちになるほどのゴミが詰め込まれていました。

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庭に降ろして並べてみたところ。
ちなみにこれを下ろす際に私はぎっくり腰ならぬぎっくり背中をやらかして動けなくなりましたね…ちっきしょう。
あとカビ臭&埃がすごすぎて。三密回避してるのにマスク必須でした。ようやく義実家片付けが終わって喘息症状が落ち着いてきたというのに。

空の段ボールならいざしらず、これにぎちぎちにモノが詰め込まれているのです。そして、中身は教科書――だけではなかった

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結局5割が義妹の漫画でした!
しかも雑誌! とんでもない分量!(※もちろん教科書類も大量出土)

おそらく想像するに、義妹が買い込んだ漫画に対して「捨てろ」「いやだ」の攻防があり、結果的に亡義父が誰の目にも届かない屋根裏に押し込めたのではないかと推測されます。

12月の寒空の下、かじかむ指(&痛めた背中)で分別作業をすること1.5時間。ちなみに主人も一緒になっての作業なので実質3時間。分別だけで3時間です。ここから品目ごとに捨てる作業が別途かかります。

なぜかギターとか大量の家電製品(全部故障しているにもかかわらず保管されていた)も出てきて、古紙・段ボール・不燃ごみ・可燃ごみ・粗大ごみに分類し、ひもで縛って…もうね、言葉が出ません。

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■話し合いがなかったばかりに最悪の結末を迎えた(のだと推測)

散々なことを書いてきましたが、途中で思ったわけです。
私自身もオタクなので「マンガのことを悪く言うのはけしからん」と思いますが、誰でも「自分の推しでないものは目障り」なんですよね…。

亡義父にしてみれば、興味のない漫画がどんどんと家の中を占拠していく、それは耐えがたいことだったと思うんです。
だけど、亡義父は捨てはしなかった。そこは亡義父なりの優しさだったのかもしれない。
捨てない代わりに屋根裏に押し込めることで、「漫画を捨てたくない義妹」と「漫画を見たくない亡義父」は折り合いをつけたのでしょう。

その結果、無関係の我々夫婦がどれほどきつい思いをしているかについては、やはり恨み言のひとつも言いたくなりますが…。

ここでもやはり「捨て方の教育」が全人類に必要だなと痛感した次第です。
「捨てたくない人」と「捨てたい人」というのは、家庭内でも必ず存在しますが、この場合、亡義父のように「目につかない場所に押し込める」という折衷案を取るのは最悪の事態です。
モノ自体が朽ちていくという問題点もありますが、防災の観点からもかなり問題。天井が落ちてきたらどうするつもりだったんだ、というレベルの重さでしたからね。

■回避するための唯一の方法は「話し合い」…だけど

これを回避して安全に安心に、そしてお互い心安らかに暮らすには、やっぱり「話し合いをする」しか方法はないと思うのです。

①まずはお互いに冷静に意見を言い合う
A「これだけ漫画がはみ出て共有スペースを占拠しているのは家族として耐えがたいので何とかしてほしい」
B「私の推しを理解してほしいとは言わないからせめて放っておいてほしい、私にとっては必要なものなのだから」

②どのレベルならお互い妥協できるかを提示する
A「せめて自分の部屋だけに収めてほしい」「他人が一目見て『大切』だと分かるような保管をしてほしい」など
B「もう少し広い部屋が欲しい」「本棚を買ってくれれば解決する」など

③公平な第三者の意見も取り入れる
「この蔵書量が(ほかの家と比べて)普通か否か」のジャッジ、お互いの趣味の品などがどれくらい存在しているのか(一方だけを非難することなく公平に判断)する必要性、「自分で稼いだお金で買う分にはほかの家族も文句を言わないようにする」などの提案、「半年に一度は蔵書のチェックをして減らす努力をする」などなど…

とかく「家族間での片付け」は感情的になりすぎて、①や②のように、なかなか思うように冷静にはいきません。かといって③のように第三者を呼ぶのも躊躇われると思います。でもおそらく、一番公平に、お互い納得いく形で終結できるのは③なんだ…!
別に私に声をかけてくれとは思わない、けどそういう専門家が今の世の中にはたくさんいらっしゃるので、片付けごときで家族がイライラしないように、ぜひ専門家に声をかけてみてほしいな、と切に思います…!

■実は床下からも多数出土していましたが、それについて書く気力がもうないです

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屋根裏の延長で、床下にもモノを押し込めていた亡父。
ちなみに床下からは大量のゲーム機・ゲームソフト・音楽CDなどが出土しました。うん、目障りだったんだろうな…
でも、だからって、床下に電気機器を保管されたらさぁ…(結果は推して知るべし)
ゲーム機などは「もしかしたら売れるかも?」という考えも頭によぎりましたが、これを逐一清掃して動作チェックしていく労力を考えたら「あ、ハイ、もう潔く捨てます」ってなりましたよね…。

おなじように、イナバ物置とかトランクルームとかになんでもモノを収納してる方もいらっしゃいますが、あれもほぼ一緒だと思います。この高温多湿の日本で、家の中以外はとんでもない保管環境ですよ。そんなものにお金を出すくらいなら、潔く最初から捨てた方がいい…


【本日のまとめ】
■捨てたくないからって「隠す」のは最悪の事態を招く。年数がたつほど辛い結果を生む。
■家族間で話し合うときは冷静に、それが不可能なら専門家を介入させるのが吉。
■とにかく「家の外での保管」はやめたほうがいい。これはマジで。


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