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最強にして最弱のスズメバチ

どうも、はちみつさんです。

昨年セイヨウミツバチで養蜂を始めたのですが、夏の終わりあたりから毎日のようにスズメバチが巣箱へ襲撃をかけてきました。

あの重低音のブーンには本能的な危険を感じてしまいますし、実際のオオスズメバチを間近で見るとかなり大きくてなんど走って逃げ出したことか。

さてさて、そんなスズメバチですがその生態を知って驚きました。

スズメバチと言えばテレビとかでたまに見かける巨大な巣ですよね。

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この巣なんですが、実は毎冬ごとに空っぽになるらしいんです。言い換えるとスズメバチの巣は春から秋にかけて作られて、冬には中のスズメバチが次世代の女王蜂を残して全滅してしまうそうなんです。

そして、たくさんの女王蜂が巣から飛び出してそれぞれが1匹ずつ木のウロなどで越冬するんですって。当然その時に守ってくれる兵隊蜂はいませんから死んでしまう女王蜂も多いのでしょう。

春になると生き残った女王蜂が巣作りを始めます、たった1匹で。えっさえっさとこしらえた巣に卵を産み、そのお世話も全部一匹で。この時点でもきっと多くの女王蜂が死んでしまうのでしょう。

その後、生き残った巣から徐々に働き蜂が出てきてやっと女王は産卵に集中できるようになるそうな。もちろん、そんな巣も冬にはまたもぬけの殻になってしまうのですが、、、。

どうでしょう、スズメバチの印象が変わりませんか!?

私自身、ちょっとうるっと来てしまいました。

では、どうしてそのようなことになってしまうんでしょうか。巣ごと越冬してコロニーを継続させることはできないんでしょうか。

これはミツバチと比較するとわかるようです。

ミツバチの餌は花蜜、つまり「糖」です。

一方のスズメバチは肉食、つまり「タンパク質」です。

これらは貯蔵に大いに関係しています。前者の糖は濃度を上げることにより腐らないんですね。これによってミツバチは餌の長期保存を可能とし、越冬できる種として進化を果たしたわけです。

スズメバチについては餌の貯蔵方法を持ちません、厳密には幼虫を保存食がわりに食べることがあるそうですが冬の寒さでは幼虫を育てるコストが生存するコストを上回ってしまうようです。

ミツバチどころか小動物までもその胃袋に収めてしまう凶暴なスズメバチが、冬になると死に絶えてしまい、ミツバチはみんなで冬を越せる、なんだか教訓めいたことを感じさせてくれる自然の営みだなと思った次第です。

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