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イーロン・マスクに影響された人と働きたくない

ということで読んだ。読み終えたのはまだ上巻だけで、下巻は読み始めたばかりだが。

もう何年もイーロン・マスクは世界を騒がせているので、良くも悪くも凄い人というのは知っている。だが改めてこうして事細かにエピソードを語られると「こいつとは関わりたくないな」と思ってしまう。仮にマスクのプラス面、すなわち仕事ができる点だけを抽出したとしても。

マスクの仕事の進め方で偉いなと思った点を3つ挙げるなら以下となる。

  • 徹底的に把握する

  • 物理法則以外は変えられる

  • 自ら手を動かす

マスクはなぜそうなるのかということについて、徹底的に把握しようとする。もし目についたら、ボルト1本単位で必要性についての質問が飛んでくる。フワッと安全性のためになんて回答をしたら、その場でスプレッドシートを使って計算を始めてもおかしくない。そういうレベルだ。

これは自社内だけの話ではない。何かクソみたいな決まりがあった場合、マスクは「決まりですから」の一言で納得せず、「なぜその決まりがあるのか、誰が決めたのか」と問い詰める。「NASAが決めた」という回答ではダメで、「NASAの◯◯という人が決めた」と担当者レベルまで把握しようとするのだ。

その決まりに納得がいかなければ、決まりを変えようと奮闘する。物理法則は変えられないが、人間が決めたことならば変えられないはずがないというわけだ。たとえ相手が中国政府であったとしてもである。実際、中国でテスラの工場を建てる時は、法律を変えさせた。

そうまでして厳しく追求するだけでなく、マスクは自分でもちゃんと手を動かす。組立装置を一つ一つ見て回り、設定が気に食わないと思ったら自分で変更する。組立ロボットの動作がクソだと思ったら、試しに自分で組み立てをやってみる。それだけ細かく自ら確認し手を動かすのだから、時間はいくらあっても足りない。だから必要とあれば工場にテントを建て寝泊まりする。そこまで手を動かすからこそ、他人にも厳しく言えるわけだ。

ここで紹介した範囲なら、マスクは間違いなく仕事のできる男である。こういうところは素直に感心する。しかし、自分がマスクの部下だったら、きっと耐えられないだろう。

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