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豊かになれるかは交渉力が鍵

プライムデーセールで買った本を読んでいる。

技術の発達が賃金と生活水準を上昇させるというけれど、現実の歴史を見るとそうでもないよね、という本。確かに社会全体で見たら富は増大しているかもしれないが、分配が毎回上手く行くとは限らない。一部の人間にだけ富が集中し、多数の人間は以前よりも貧しくなったということもざらにある。これはなぜなのか、と。

まだ上巻を読んでいる途中でもあるので、本書の内容というよりは、本書を読んだ印象とそれから考えたことについて書こう。

読んでいて思うのは、あまり技術の発展は重要ではないな、ということ。最近は生成AI関係でよく見るが、我々はつい技術を自由に発展させるべきか、規制が必要かと論争をする。焦点が技術の発展にあり、急速に進むことを歓迎する人もいれば、逆に規制を求める人もいる。どちらの陣営も、自分たちの主張こそが民衆を幸せに導き、反対派の主張が通れば貧しくなると考える。

だが、本当に重要なのはそこではない。気にするべきは交渉力がどうなるか、だ。技術が発展するにしろ規制されるにしろ、民衆の生活水準がどうなるかを決めるのは、民衆に交渉力があるかどうか。あれば生活水準は上昇するが、失われたら下降する。ただそれだけのことだ。

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