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5弦ベースをカスタムした話

今でこそ主流になった5弦ベースも2000年頃はまだ使用者が少ない時代で、KoRn や Limp Bizkit が好きな ミクスチャー勢、もしくは フュージョン勢 が使うものとして認識していて、自分達のような あーいうぉーんふぉげー勢 はあまり接点がなかった。

それが2010年頃になると5弦ベースの種類も増え、わりとみんな所持するようになっていった。そうしたなか当時参加したバンドでLow-B演奏がマストになったこともあり、4弦で輝きたかった私にも5弦ベースを手にする機会が訪れた。

Fender American Deluxe Jazz Bass V
  • パッシブ切り替え可能

  • 高級感あるインレイ+バインディング

  • 扱いやすいネック

翌々週にはスタジオでの初合わせとなる状況だったことと、楽器屋にて試奏して気に入ったこともあり即決していた。色は他にワインレッドも選べたけど、飽きなさそうなホワイトにしたら結果的に正解だった。

それから2011年~2017年まで6年間メインを務めていたけど、後に楽器を弾けなくなる時期が訪れ、気づいたら7年間も自宅で眠らせてしまっていた。今回はそんな5弦ベースをリペアしつつカスタムした話を綴りたい。



きっかけとコンセプト

ダウンチューニングの曲を試す過程で久しぶりに5弦ベースを触ってみたところ、若干残念な音になっていることに気づいた。

コントロールするのが苦手だったサーキット部分(参考)

前述したお気に入りポイントがある反面、アクティブ特有のウェットな音・バランサー(PU配分)・側面のジャックが好きになれず、数年前に自分でプレート側にジャックを移植してみたものの、工作レベルの加工だったため音を劣化させてしまったようだ。ついでに言うとネックや弦高も自分でいじくっていたせいでガタガタだった。

現在は PJ改造したベース と仲良くやっていて5弦ベースをあまり活用できていない。しかし思い出が詰まったベースを悪い状態にしておくのも嫌だな… と感じてリペアすることを決めた。そうなると自然とカスタム欲も出てきてこのようなコンセプトを考えていた。

  • 完全にパッシブ化して 普通の2ボリューム1トーン にしたい

  • であれば ビンテージタイプのピックアップ を載せたい

  • リペア込みで ESPギターワークショップ に仕上げてもらいたい


車に例えるとエンジンを載せ替えてチューンしてもらう感じだろうか。予算は現行品の販売価格と当時の購入価格の差額(得したと思う10万円以内)と決めて、ショップに相談したところ予算内でカスタムできることがわかり、今回も御茶ノ水のESPギターワークショップへ依頼することにした。


ESPギターワークショップへ

約一年ぶりの訪問。パーツがずらっと並んだ店内は独特な雰囲気で、匠の工房感強めなところが個人的に好きだったりする。

店員さんと現物を見ながらカスタムの方針やパーツのすり合わせをしてこの日は60分ほどで店を出た。あいにく希望するピックアップの在庫がなく、いったん入荷状況を確認してからの着手となった。

後日ピックアップの入荷まで3~4ヶ月ほどかかることがわかり、別の店舗で購入して持ち込みすることにした。幸い サウンドハウスに在庫があって すぐ購入することができたため、翌週ピックアップを持参して訪問し改めて依頼することができた。


パーツ紹介|ピックアップ

ネック・ブリッジ セットになっているものを購入

ビンテージライクなピックアップを希望していたため、セイモアダンカンの5弦ラインナップから 67/70 Jazz Bass 5 String を選択した。

店員さんの話によるとオーダーすれば Antiquity Pickup も作れるそうだが、概算で一個44,000円 納期は4ヶ月らしく、魅力的だけど予算と折り合いをつけてこのピックアップにした。


パーツ紹介|ピックガード

ついでに見た目も変えてみようとピックガード交換を検討し、ebayで WD Custom Pickguard の ミントグリーン3P を購入。こちらは自分で取り付けることにした。


リペア・カスタム内容|費用

(A)工賃 30,250円
 10,450円 ピックアップ交換+持込みチェック
 2,200円 ザグリ加工
 8,250円 ポット交換+ジャック交換
 9,350円 セットアップ+フレット磨き+弦交換

(B)パーツ代 45,733円
 5,148円 ポット×3+ジャック+スリーブ+ノブ
 30,300円 ピックアップ×2(*サウンドハウス)
 10,285円 ピックガード(*ebay)

(C)売却 20,700円
 10,350円 ピックアップ×2
 10,350円 プリアンプ一式

今回のリペア総額
 (A+B)75,983円 (A+B-C)55,283円

元々付いていたピックアップの形状が特殊だったようで、軽微なザグリ加工が必要になったこと以外は想定通りだった。

PJ改造より費用はかかったけど、理想に近いカスタムをしつつ見た目もアップしたという意味では、価格以上の満足感を得ることができたと思う。取り外したパーツはフリマサイトに出品してみたらすぐ買い手が見つかって助かった。


完成した姿|ピックアップ比較

ビフォア ← → アフター

ピックアップ+コントロール部分の見た目はあまり変化を感じないものの、ピックガード交換の効果は大きく 技巧派が使ってそうな白いベース になった気がする。白×黒のラモーンズスタイルも嫌いじゃないけど、5弦のルックスには合ってないと感じていたため「これでいいのだ」と思いたい。

音はと言うと ミドルがグッと前に出た明るいトーン で、高校生の頃初めて所持したフェンダージャパンのJBを思い出させてくれる若くて活気ある感じがとても気に入った。後付けっぽくなるが密かにこれを狙っていたため思わずニヤッとした。

よし、これであと10年輝き続けられるぞ… と言ったところで話を締めようと思う。ここまで読んでくれてありがとうございました。

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