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東大世界史2021解答速報

解答速報なんて偉そうなことは言えませんね。「答案例」速報です。

第1問

西地中海世界では西ローマが覇権を失い、ゲルマン諸国が乱立した。その多くが被支配民ローマ人と違って異端のアリウス派を受容したなか、フランク王国はクローヴィスが正統のアタナシウス派に改宗しローマ教会の支持を得た。ローマ教会は、東地中海世界でビザンツ皇帝と結びついたコンスタンティノープル教会に対する劣勢から、教皇グレゴリウス1世がゲルマン人への布教を強めた。一方のビザンツ帝国は、領土をバルカン半島とアナトリアに縮小させたことでギリシア要素を強め、ギリシア語を公用語化してビザンツ文化を展開していた。その中で皇帝レオン3世が、イスラームへの対抗意識から726年に勅令でイコンを禁止すると、教会の東西分裂が進んだ。既に7世紀アラブで誕生したイスラーム勢力は、異民族を征服して勢力を拡大し北方を圧迫していたのである。イスラームのウマイヤ朝は異民族を冷遇し、非アラブ人改宗者マワーリーからもハラージュとジズヤを徴収したため不満が広がったが、続くアッバース朝は異民族含めたムスリムの平等を唱えた。イスラーム帝国の現出である。イスラーム勢力は西地中海世界にも進出したがフランク王国はこれを撃退、フランク王国が西欧を統一するなかローマ教会はフランク王国に接近し、カール戴冠で西ローマ皇帝を復活させた。かくて地中海世界東北にはビザンツ=正教文化圏が、西北にはラテン=カトリック文化圏が、南部にはイスラーム文化圏が成立した。(600字)

第2問

(1)
(a)貨幣経済の浸透で貨幣地代を導入する領主が現れ、蓄財して解放金を払って自由身分になる者がでてきたほか、ペストによる人口減少で労働力が不足し、農民がより強い立場を得るようになった。
(b)農民への農地分与は有償であり、土地はミールに引き渡されることが多かったため、農民は依然としてミールに束縛され、貴族の土地で安い労働力として働かされることも多かったから。
(2)
(a)ホセ=リサール
(b)スペインの植民地であったフィリピンで、独立を目指しカティプーナンが蜂起、米西戦争に乗じてアギナルドが独立を宣言した。しかし米西戦争に勝利した米国はフィリピンの独立を認めず、フィリピン=アメリカ戦争を経てフィリピンは米国植民地となった。
(3)
(a)アパルトヘイト
(b)人種ごとの公的施設の利用制限や居住区の指定等を内容とする人種隔離政策。ネルソン=マンデラらの抵抗運動の中、アフリカ諸国が独立するなかで国際的孤立を深めたことを背景に撤廃された。

第3問

(1)安禄山
(2)シチリア王国
(3)ガズナ朝
(4)メスティーソ
(5)鄭成功
(6)ナポレオン
(7)マオリ人
(8)じゃがいも飢饉
(9)大韓民国臨時政府
(10)ベルリンの壁

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