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足関節捻挫の鑑別チェックポイント

どうも!@骨次郎です。

今日は整骨院や接骨院で一番身近な外傷”足関節捻挫”の鑑別チェックポイントについて書いていきます。

足関節捻挫はスポーツをやっているアスリートから一般の方、高齢者まで幅広く受傷することがある疾患になります。

足関節捻挫の鑑別チェックポイントを知っておくことはレントゲンが使えない我々柔道整復師には必要なことになります。

骨折なのか?捻挫なのか?

どんな凄腕の先生でも100%見分けることは難しいですが、鑑別のチェックポイントを知っているだけで知識や経験があまりなくても見分けるポイントがわかると思います。

足関節捻挫

足関節捻挫は足関節が外力を受けて正常な運動範囲を超えて、過度の運動を強制された時に足関節に生じる損傷です。

足部の機能解剖については文字で書くより動画の方がわかりやすいので動画を貼っておきます。

足関節捻挫は大きく分けて2つに分類することができます。

内反捻挫外反捻挫です。

内反捻挫は足首を内側に捻って受傷するのが内反捻挫です。

逆に外側に捻って受傷するのが外反捻挫です。

ここで足関節の動きの確認です。

内返しは底屈内転回外の複合運動です。

外返しは背屈外転回内の複合運動です。

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内反捻挫と外反捻挫の分類と特徴

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図をみてもらえるとわかりやすいですが、内反捻挫の方が発生率が高いのがわかります。

外反捻挫の場合は発生率は高くはないですが、骨折が合併したりと重症になりやすくなります。

ではなぜ内反捻挫が多いのか?

・常に体重を受ける関節であるから
・距骨の構造上、足関節底屈位では関節が緩い
・内側側靭帯と外側靭帯では外側靭帯の方が弱い構造になっている
・外果に比べて内果が短い為、内反制限が少なくなる
・関節可動域が比較的狭い関節なので

解剖学的に内反捻挫が起こりやすくなっているんですね!

足関節内反捻挫損傷分類

では次に損傷の程度の分類についてです。

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足関節内反捻挫の損傷としては1度~3度まであります。

1度は前距腓靭帯のオーバーストレッチ(靭帯が伸びた状態)

多くの捻挫が1度であることが多いです。

軽度の捻挫ということになります。

2度は前距腓靭帯断裂+踵腓靭帯の部分損傷です。

2度になると中等度の捻挫ですね

3度は前距腓靭帯+踵腓靭帯完全断裂になります。

3度はもう重度ですね

このクラスはOpeになることが多いです。

どの程度の捻挫なのか頭でイメージできるので損傷の分類は覚えておくといいですね。

足関節捻挫だけでなく足部の痛みについてわかりやすい動画を貼っておくので映像があるとイメージしやすいかと思います。

捻挫に類似した疾患

次に鑑別する為に捻挫に類似した疾患を紹介していきます。

※足関節捻挫と合併して起こることもあります。

・腓骨遠位端骨折(腓骨外果裂離骨折)

腓骨遠位端骨折は頻度が高く捻挫と誤診されやすい骨折なのでしっかり鑑別する必要があります。

小骨片はレントゲンに写らないこともあります。

小児の場合は靭帯よりも骨が弱いので裂離骨折になりやすくなります。

足関節内反捻挫では腓骨遠位端骨折の可能性も考えておきましょう!

・踵骨前方突起骨折

足関節底屈位で前足部に内返しの力が加わった際に踵骨前方突起が二分靭帯に引っ張れ裂離骨折をおこすものです。

また、足関節背屈位で前足部に内返しの強い力が加わると剪断力が加わり生じるとも言われています。

・第5中足骨基部骨折(第5中足骨基底部骨折(下駄骨折)

足を捻った際に、体重がのることで​第5中足骨基部に捻転力が加わった上に、​短腓骨筋腱の収縮作用によって​骨片が引っ張られ、​骨折線が入ることになります。​

第5中足骨基部骨折も捻挫の時に見逃されやすい骨折になるのでチェックする必要があります。

・二分靭帯損傷

爪先立ちのような姿勢で体重が乗り、​内側に足をひねった場合などに、​
二分靭帯の付着部に引っ張る力がかかり発生します。

上記で説明した踵骨前方突起骨折のように骨の一部をはがしてしまうことがあります。

・腓骨筋腱脱臼

腓骨筋腱は腓骨に沿って存在する腱の一種です。

​外果の周囲にある支帯によって​支えられていますが、カッティング動作(踏ん張る動作)を​力強く行う際などに支帯が破れることがあります。​

支えを失った腱が移動してしまい、​腓骨筋腱脱臼を起す原因になります。​

主に急な方向転換や急劇なストップ動作、​踏ん張る動作が危険です。​

捻挫と誤診されそのまま慢性化してしまうこともあるので鑑別が必要です。

・前脛腓靭帯損傷

遠位前脛腓靭帯損傷は足首に強い衝撃を受けた際に、遠位前脛腓靭帯を損傷する疾患で、足首の前方に痛みを生じます。​

単独損傷は稀で捻挫に合併しておこることがあります。


上記の捻挫に類似する疾患を知っておくのは鑑別する上で重要になります。

HOPSの流れで診る

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HOPSはよくトレーナーさんが使う流れです。

それぞれの頭文字を取ってHOPSの流れで診ていきます。

ちなみに④チェックと書いてますが、スペシャルテスト、整形外科テストなのでご容赦ください。

問診

①Historyは問診です。

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問診は人それぞれやり方があると思いますのであくまで目安で作ったものを貼っておきます。

視診

②Observationは視診で外観をチェックします。

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皮下出血や腫脹の具合い、明らかな変形がないかなどを視診で確認しておきましょう。

触診

③Palpationは触診です。触って確認してみましょう。

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足関節捻挫の鑑別ポイント

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足関節捻挫の鑑別ポイントで重要なポイントをリストアップしました。

※図の数字と重要な5箇所の数字は一緒ではないので注意

①図(6)の中足骨部と短腓骨筋の裂離骨折

②図(1)の腓骨遠位端部の裂離骨折

③図(5)の二分靭帯&踵骨前方突起部

足関節内反捻挫の時は特に上記の圧痛をしっかりと診ておくことが骨折の鑑別に役立ちます。

一概には言えないですが、だいたい骨折していると上記の場所を押すとめちゃくちゃ痛がります。リアクションでこれ折れてそうだなと思えると思います。

また圧痛はすごく強くなくても骨を押すと痛いという場合も骨折が考えられます。

腓骨遠位端は少し難しいですが、、、

経験も大切ですが、セラピストの感覚でこれは怪しいなと思うことがあれば紹介状を書いて整形外科でレントゲンを取ってもらいましょう。

まぁエコーがあればエコーを診ればいいと思いますが!

レントゲンやエコーがない場合は問診、視診、触診やスペシャルテストなどで鑑別をしなくてはいけません。

柔道整復師として鑑別能力は重要なのでチェックポイントを抑えておくことは大事かと思います。

少し浅い内容ではありましたが参考していただけると幸いです。

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骨次郎

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今回貼っているスライドは自分が新人の時勉強会で作ったものの一部になります。

スライドの写真の内容は一部おかしなところがありますことをご了承ください。

参考文献と引用させて頂いた画像元は以下になります。

『足関節捻挫予防プログアムの科学的基礎』​
『整形外科リハビリテーション』 神野哲也​
『今日の整形外科治療方針』 医学書院​
『標準整形外科学』 医学書院​
『エビテンスに基づく整形外科徒手検査法』​
『カラーアトラス 膝・足の外科』 越智光夫​
『写真で学ぶ整形外科テスト法』 斉藤明義​
『整形外科徒手検査法』 高岡邦夫​
『整形外科・スポーツ障害診察ハンドブック』 別府諸兄​
『アスレティックテーピングとリハビリテーションエクササイズ』​
『こどものスポーツ障害診療ハンドブック』 山下敏彦​
『こどものスポーツ外来』 全日本病院出版会​
『足の外来』 越智隆弘​
『柔道整復師外傷学ハンドブック総論』 伊藤譲​
『整形外科理学療法の理論と技術』 山嵜勉​
『柔道整復学理論変』​
『足の臨床』 高倉義典​
『STEP整形外科』 高橋正明​
『人体解剖カラーアトラス』 坂井建雄​
『足関節捻挫』 斉藤明義​
『患者さんのための病気・ケガの参考資料』  http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/index.htm​
『秋元整骨院』 http://www.judo-akimoto.com/index.htm​
『足関節捻挫/ZAMST』 http://www.zamst.jp/tetsujin/ankle-sprain/​
『足関節捻挫後のリハビリ 基礎編』 http://homepage3.nifty.com/kotaniss/rihakisohen.html​
『洋ヶ丘病院 整形外科HP』 http://www.hitsujigaoka.com/ankle_sprain.html​
『日本整形外科会』 https://www.joa.or.jp/jp/index.html​
『アスレティックトレーナーの基礎知識 足関節捻挫』 http://www.geocities.jp/miyadai0403/topin/at-study/st-con/ankle.htm​

ありがとうございました。

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