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【書評】ちゃんと泣ける子に育てよう No.1


ちゃんと泣ける子に育てていますか?子供の感情に向き合わないで、親の感情を優先していませんか?無意識に子供を抑圧し、親の都合のよいように育てやすいように、従順な「いい子」に育ててしまってはいませんか?


【はじめに】

こんにちは!ほねさんです!本日も書評記事を作成してまいります。ほんのタイトルはズバリ「ちゃんと泣ける子に育てよう 親には子どもの感情を育てる義務がある」です。以下アマゾンのリンクです。

私は現在2歳3ヶ月の娘がいます。子育て真っ最中だからこそ、この本は正直言って私にはドンピシャすぎました!この本はとてつもなく厳しく、とてつもなく優しいです。甘えや忖度など一切ありません。私達親の覚悟を徹底的に問いかけてきます。

子供の感情に向き合わないで、親の感情を優先していませんか?と。

かなりえぐってきます。本を読んだあとは、子供とどう向き合っていくのか、子供の感情をどう育てていくのか、というこの本の副題の意味がよーく分かるようになります。

私なんかはかなりハッとさせられました。自分自身の今までの言動を嫌でも振り返させられました。そして恥ずかしくなりました。もちろん今後も完璧な親になることなどできませんが、それでも大いにこの本のメッセージを心に留めて子育てをしていきたいと強く思ったものです。

ではいつものように、書評記事を書く前にどんな方にオススメしたいかを羅列していきます。


【どんな人にオススメか】

・ 子育てに自信を失いかけている方

・ 子育てのヒントがほしい方

・ ぐずったり、わめいたり、周りを省みないでわがままな振る舞いをする我が子を目の前にして自分の感情が抑えきれない方

・ 荒れた子、すぐにキレる子をクラスに持つ先生方

・ 特に幼少期の子供を持つ全ての親御さん


この書評記事では以下の構成で行きます。

①結論

②子どもたちは危機に陥っている

③子の感情を大事にするということ


では簡単に要約していきます!


【1.結論】

子供は宝であり、こんなにも愛おしい存在はない。またこんなにも親たちの感情を揺さぶってくる存在もない。すべての親がいい子に、思いやりのある優しい子に育ってほしいと強く思っているのに、そう思えば思うほど、子どもたちの感情は危機に瀕している。

子どもたちが自分の感情をコントロールし、たくましく強く生きていけるようするためには、親は子供をちゃんと泣けるようにしなければならない。ネガティブな感情に支配されたときこそ抱きしめなければならない。親の感情を優先せず、子供と向き合い、子供の感情を育て、子供を抱きしめることが大事である。


【2.子どもたちは危機に陥っている】

結論部分にも書きましたが、子どもたちの感情は危機に瀕していると筆者は強い問題提起をしてきます。


小学校3年生なのに3歳児のようにわがまま放題に振る舞う子供

家では「いい子」なのに学校ではいじめのボスになってしまった子供

暴言(死ね、殺す)、暴力、いじめ、嫌がらせ、自傷行為に走る子供

怒られても心ここにあらずで目が泳いでいる子供

クラスで飼っていた金魚をすべて殺してしまった子供


以上の列挙したことはよく聞く話ではないでしょうか。学級崩壊、いわゆるキレる子が多くなっていることもよく聞きますね。

臨床心理士として、長年子供の心理療法や家族療法を行ってきた筆者はこう言います。

最近の子供たちの特徴として、自分の感情がわからない子どもたちが増えているということが、とても深刻な問題になってきていると私は感じています。

このように「子どもたちの感情が危機に陥っている」のは一体なぜなのでしょうか。なぜ自分の感情がわからないと危機なのでしょうか。

そして子どもたちがたくましく心が強くなるように育つために、親は何をすべきなのでしょうか。その答えは「子供の感情を育てること」「子がちゃんと泣けるように親が覚悟を持つこと」だと筆者は主張します。


【3.子の感情を大事にすること】

ここでは以下4つのポイントに絞って、子の感情を大事にすること、について掘り下げていきたいと思います。


3-1 子供は生きる力がみなぎっている!

まず子の感情表現は生きる力そのものである、と理解する必要があります。子供ってパワーがあります。感情も大きく揺れ動くエネルギーの塊のような存在です。それは2歳3ヶ月の娘を育てている私も実感しています。

よく笑います。よく泣きます。よく走ります。嫌だったら徹底的に嫌と意思表示をしてきます。気に入らないとものを投げます。自分の思い通りにならないと地団駄を踏みます。食べたくないものは食べたくない!とはっきりいいます。

プラスの感情も、ネガティブな感情も大いにエネルギッシュです。筆者によればこれは「生理現象」であり、まさに子どもの持つ「生きるエネルギー」だといいます。つまり喜怒哀楽の感情は「身体の反応」であり、「身体の中を流れるエネルギー」ということです。

この「子供の感情は身体の反応である」という考え方は「子供の感情を育てる」という意味を理解する上で最も基本的な考え方になります。


3-2 感情の社会化

例えば、我が子が走っていて笑顔で楽しそうだったときに、親は「楽しいねぇ。嬉しいねぇ。」と声をかけるでしょう。

このように子供が身体の中を流れている喜びのエネルギーを、ママとパパが自然に感じ取って、それを言葉にして変えるという相互作用が自然に起こっています。

子供はこうして、なんだかよくわからない(表現できない)自分の身体の反応を言葉と結びつくことで、他者にその感情を伝えることができるようになりますが、このプロセスを感情の社会化と言います。


3-3 子どもの感情が危機に陥っている

ところがネガティブな感情(にくい!ムカつく!イライラする!苛立つ!寂しい!悲しい!不安だ!)に関しては、この感情の社会化のプロセスをたどるが困難になっているといいます。それは親が子の感情よりも親自身の感情を優先していることが大きな原因の一つです。

例えば泣いている我が子に対して、親のほうが感情的になり、「男だったら泣くな!!」とか、「静かにしろ!!」と怒鳴りつけて子供をコントロール、抑圧することは、子の感情を大事にせず、親の感情=自分の感情を優先していることになります。

これが続くと、子は自然と親の感情を汲み取ってしまい、親に気を遣ってしまい、身体から沸き起こる感情を封印してしまうことになり、ネガティブな感情が社会化されるチャンスを少なくしてしまいます。

まさにこれが「子どもたちの感情が危機にひんしている」大きな理由の一つです。

ネガティブな感情に適切な名付けを親にしてもらわなければ、子は自分の体を支配している不快なエネルギー(感情)をどのように処理をしたらいいかわからずに、パニックに陥ってしまうからです。


ここで「危機」についてもう少し掘り下げます。「危機」に対する原始的防衛は3つあると言われています。それは「たたかう」「逃げる」「かたまる」です。

この中で特に多いのが「かたまる」子です。先程の不安な感情に支配された子供が親による感情の社会化がなされないと、子の多くは「かたまる」ことでその感情がなかったことにして、危機を脱しようとします。これを専門用語で「解離様式による適応」と呼ぶそうです。

つまり「自分の感じた感情をなかったことにする」=「感情を封印」し、率先していい子になることで防衛します。でも身体中に流れる負のエネルギーをいつまでも抑えることなんて、できっこありません。それはいつか爆発します。親がその現実を直視できないほどにカタチを変えて。

こうして「いい子」のまま、思春期まで育つと非常に危険です。なぜなら表面上は優しくていつもニコニコしているようでも、ネガティブな感情を封印しているだけですから、実は心は傷つきやすくもろく、自分の感情をコントロールできないまま成長してしまいます。

だから挫折に強い、心のたくましい子に育てるためには、ネガティブな感情で支配されたときに、親が受け止め、思い切り「怖い」「憎い」といった感情を表出できるようにすることが大事です。


3-4 親は子供を抱きしめて泣けるようにする

だからこそです!親は自分の感情ではなく、子どもの感情を大事にする必要があります。子供が苦しいと感じているのなら、親も子供の苦しさを共有する。そして「苦しかったね」「悔しかったね」と子が感じている感情にフィットするような声がけをし、抱きしめて安心して泣けるようにすることがとても大事だといいます。

身体中にあふれるネガティブなエネルギーも、親の腕の中で泣いて表出できると、子供は「親が受け止めてくれる。ネガティブな感情も出してもいいんだ」と安心します。

この安心感が子どもの感情を育てるには絶対に必要なのです!!泣ける子は人を信じることができる子、こころの自然治癒力が備わっている子、感情をコントロールできる子、生きる力を備えた子になります。

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【最後に】

時折、私が娘を叱りつけることが妻には感情的になっていると映ったようで、このままではいけないと思ってこの本を買って読ませてくれました。

まあ恥ずかしいことのオンパレードです。。。私も完全に娘の感情よりも自分の感情を大事にしていた、優先していたことがわかりました。親を癒してくれる存在として娘を愛する、というのは全く子の感情を大事にしていません。

目からウロコすぎました。ネガティブな感情に支配されたときの娘には今後も頻繁に出くわします。その時は頭ごなしに大声を出さないで、抑圧しないで、そっと抱きしめて、「○○だったね」とその感情にフィットした言葉をかけていきたい、そう思いました。

娘の今後の人生では、胸が張り裂けそうな苦しく悲しい思いをすることもあるでしょう。そのときに親が子どもの苦しみをせめて半分にすることができたら。それは親も子の苦しみを分かち合うことですから、親もきっと大変です。だから副題がついています。「親には子どもの感情を育てる義務がある」と。

ちゃんと子の苦しみを味わう覚悟はありますか?自分を優先せずに子どもの感情に向き合えますか?

そんな筆者の忖度のない、強く厳しくも優しいメッセージが伝わってきます。子育てをする上で間違いなく参考になる本です。この本に書いてあることがすべて正しいかどうかはわかりませんが、実践する価値は大いにあると感じました。いい本を紹介してくれた妻には感謝です。

4章は特に読むべきだと強く思います。この書評記事では全て紹介しきれませんでしたので、もし興味がわきましたら、ぜひ手にとって読んでみてください。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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