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火に舞う灰

0.Prologue

日本のとある片田舎のA村
その村は大きな化学工場で潤っていた。

それは赤い月が怪しく輝く夜だった。
工場近くにある森の湖畔。

長身のスラっとした長髪の女性が佇んでいる。
鈍色がかった湖にの反射にてらされたその顔は美しく、しかし無表情に近い微かな憂いを帯びていた。

湖に静かに波紋が広がっていく。同時に森にいた多くのカラス飛び立った。

カラスの羽音が去っていった後の静寂。

水の波紋を残し彼女は消えてしまった。

これは誰も知らない2年前の出来事である。

1.流れる水


梶田龍星は大学院卒業後、水質調査会社の仕事についた。

それは自分の出身地であるA村の地下水汚染について、調べる足掛かりにするつもりであった。

しかしその調査は大手が関わっていて表向きには出来ず。
地道に休日返上して自費で付近の調査に行くしかなかった。

多忙な上に難航している。
そんな状況だ。

彼には村を出る前に別れ女性がいた。
彼女はその後行方不明になったそうだ。
「他の場所に行きます。」との置き手紙があったことから、事件性が薄いとされた。

その事も調査に没頭する要因でもあった。

地下水からの飲み水でアザが出来る。または関節が鈍くなる。などの症状は挙がるものの関連性が掴めない。

段々と結果が出せない自分への苛立ちが、気持ちに重くのしかかっていった。

そんな時、同僚の早坂いずみが彼によく声を掛けてくれるようになっていた。

缶コーヒーを差し入れしてくれたり。
時には夜食も買って来てくれるということもあった。

彼は彼女には調査している内容を話すようになった。
陰ながら応援してくれている様であった。


時間とは残酷なものである。
彼は少しずつ彼女に惹かれていった。

それから左程プロポーズまでは時間が掛からなかった。

一年後高級なレストランで指輪用意して、二つ返事で頷く。

プロポーズしたのには子どもの存在があったのも一つであった。

結婚後、家族と仕事は順調だった。

調査に関してはいずみのお腹に人の顔のようなアザが出来、なおさら汚染の究明に熱が入った。

それから数ヶ月の調査の結果を受け、裁判所や行政は管理体制の見直し、近隣の住民への補償を打診した。これによって地下水の環境も見直されていく。

それに伴ってアザも薄れていった。

2.アップルパイ


子どもが産まれたのはいずみのアザが消えて一か月後である。
可愛いその女の子には涼やかな"涼子"と名付けた。

アザや飲み水の汚染のこともあり子どもに後遺症が残らないか検査もしたのだが、異常は見つからずひとまずホッとした。

ともあれ涼子は物おじせず、いろいろな事に好奇心を示し、人当たりも良くすくすくと育っていった。


子どもが産まれて二年後、昔別れた恋人高田真希の実家から連絡があった。
彼女(正確には彼女の持ち物)が見つかったと言う知らせだった。
いずみは内心いい気持ちはしないだろうと思いつつも「お焼香だけでもあげてくる。」というと、手土産とお供物のアップルパイを用意して快く送り出してくれた。
真希の好物の話は前にしていたのだが、覚えていた事に驚いた。

新幹線で向かい、実家に少し顔を出してから
真希の実家を訪ねた。
自分が行方不明の原因だと思っていた節もあったので気まずかったが、真希の母親は全く態度や表情に不快を示さなかった。

挨拶して手土産を渡し、お焼香をあげる。
すると、お茶を用意してくれており。
少し話したいのだと言う。

真希の母藤子さんはこう切り出した。
「真希が居なくなってもう5年です。
最初はあなたのせいだと思っていたの。
でも、真希が自分より人の事を考える子だったから。あなたの事を…いいえ龍星くんの事を恨むのは違うと思ったの。」

「龍星くんは真希に良くしてくれた。それだけで十分。」

「いいえそんな…結局は別れてしまってからだったので、僕にも責任があると思います。」

「真希の持ち物が見つかったのは何処かご存じ?」

「いいえ。」

「工場近くの湖なの。あなたが頑張ってくれたから真希は見つかった様なものなの。
少なくとも私はそう思おうとしているわ。
だからあの子の事重荷にしないでね。」

その後、家族のことや仕事の事を昔の様に話した。

内心、真希や藤子さんの前で心苦しかったが、

「そう良かったわね。」
と笑顔で言ってくれた。

最後に挨拶をして高田家を出た。
実家に寄らず新幹線に乗り昔の事を思い巡らせていた。

3.淡き思い出


真希とは幼馴染だった。
真希の母にピアノを習っていた事も関係して、小さい頃には仲良くしていた。

小学生の頃、夕方まで一緒に遊んでいた時が度々あった。ある時、藤子さんが「遅いから家に泊まって帰らない?」と提案してくれた。

「ごめんなさい。帰ります。」
と言って迎えに来てもらった事があった。
それは幼いながら女の子と一緒の部屋になる事を想像して恥ずかしがってしまったからだ。
ませた子どもであったのは否めない。

それからは何となく距離を置き、クラスが離れた事でも疎遠になってしまった。

再会したのは、高校受験の時である。
彼女は隣に座っていて、シャープペンシルの替えを忘れた僕にソッと差し出してくれた。

受験が終わった後、プレッシャーからの解放感からか色々な話をした。

同じ高校に受かってからは、段々と2人は友だちから親友、恋人へ変わっていった。

そんな中思い出すのは、喫茶店でちょっと通ぶった僕がラテをエスプレッソダブルで頼んだ時である。
店員が「ドッピオですね。」と言った事に戸惑っていると、真希が「ダブルの事だよ。」と言って恥ずかしい思いをした事である。

「あの時は苦かったな。」と独り言を言ってしまう。

現実に戻って周りを気にするが、周りの人はさして気にしていない様だった。

また思い出に沈んでいく。

最後にあったのは大学院卒業後だった。
彼女は先に化学工場の本社で働いていた。

上京すると伝えると、多分将来的に否が応でも対立する立場に立つと察したのだろう。
「じゃあお別れしないとね。」
と言うと手を出して来た。
握手をする。それが別れの挨拶だった。

あるいは生活の心配などせず引き寄せていれば…

言い知れない心の痛みを感じ始めた時、下車駅のアナウンスが流れて、現実に引き戻された。

4.慎ましい幸せ

東京の家に帰るとお土産を渡す間も無く、
「リュウセイ!大ニュースよ!!」
といずみが切り出して来た。
「どうした?」
と話を聞くと、
「たどたどしいけど、"リュウセイまだ?"と言ったのよー。」
"パパ"や"お父さん"でなく名前なのはいずみがいつも名前呼びだからだと思う。

帰りに感じていた痛みがウソの様にほんわかした温かみに変わっていくのが感じられた。

「リュウセイおかへりなしゃい。」

などと言われた時には不覚にも、いや、感動で泣いてしまった。
いずみも笑い泣きしている。

涼子といえば、心配してよだれタオルを持って来てくれる始末。

幸せさを感じたであった。

この慎ましい生活の幸せが続くとその頃は信じていた。

5.残響

南無妙法蓮華経〜

小さい会場に袈裟を着た御坊さんのお経が響く。
独特な声の波は無意識への呼びかけをする。

「お父さん大丈夫?」
中学に上がったばかりの娘の涼子が声をかける。

そこは妻の葬儀の場だった。
遺影とその前にある…
まだ眠っているのではないかと思うくらいキレイな妻が居る棺桶を見て、改めて妻が亡くなった事を思い知らされる。

ふと我に帰り"大丈夫だよ"と虚勢を張る。
しかしながら涼子の方がしっかりとしている。いや、気丈に振る舞っている様子だ。


涼子は中学に入りテニスの部活動を始めた。
学校は少し遠いところにある。
部活は遅い時間になるので用心のため毎回迎えに行く事になっていた。

帰りの車の中で2人は何気ない話をするのが日課だった。


二週間前も同じ様に迎えに行き、その途中ブレーキが効かなくなり電柱に激突した。


怪我はなく一応病院に行き検査入院をしたのだが、その日の夜意識が戻らなくなった。
涼子は部活を休み、毎日学校や家のことをいつもの様に話かけていたらしい。

しかし、そのまま二週間経たずに息を引き取った。

その日一日中涼子は泣いていた。

私はというと実感が湧かず、娘の背中を支えるのに注力していた。



葬儀と火葬が終わり帰り道の車の中で、涼子は助手席でお骨を持ち静かに座っていた。
私は運転しながら
「これからは家事もお弁当も頑張るから心配しないで、勉強と部活がんばれ。」

と言うと、
「無理しなくていいよ。私も手伝うから、一緒に頑張ろうよ。」

と言ってくれた。


夕飯は出来合いで済ませて涼子は自分の部屋に入ると、私は居間でお酒を飲み始めた。

13年色々あったが楽しい思い出が蘇る。

飲み始めて少しすると、寝られないのか涼子も起きて来て他愛もない話をした。というよりもそう試みた。

そして朝を迎え、日常の生活をしようと試み始める。

6.日常


妻が亡くなった後、毎日家事をし2人で生活して来た。

弁当は欠かす事なく、涼子の反抗期もなく妻の死の影をどこかに抱きながら生きて来ていた。

しかしながら、父親に出来ることも限りがあり、こと恋愛などデリケートな事には踏み込まずにいた。

そんな中涼子はテニス部を辞めた。
理由は家族で過ごす時間を増やす為だという。
定年後のサラリーマンの様な話し方だったが、理由は事故の事があるのだろうと思った。

その代わりアルバイトを始めた。
心配するのを尻目にさっさと決めて珈琲屋さんで働き始めている。
今流行りのカフェでなく、何故か喫茶店である。
しかし、贔屓目に親から見ても華やかな見た目とは違い、朴訥としたものが好きな涼子らしいと思った。

喫茶店では妻譲りの涼子のアップルパイが密かな人気商品になる程である。

家計のことを心配してか、月に一万は最低でも生活の為に渡してくる。

初めは要らないと言ったのだが、どうしてもと言うので涼子の将来の資金として貯蓄している。


変わったことは他にもあった。
妻が亡くなってから暫くして、涼子は眠れないと言って布団に入ってくる事がたまにあった。


中学生と言えども未だ幼いと思い話し相手になって寝かしつけていた。
半年ほどで自分の部屋で独りで寝られる様に回復したと思っていた。

涼子も高校に入り学校と生活、バイトなどで忙しく生き生きしているのを見てそんな事は忘れていった。

7.旧知の再会

涼子との2人の生活が自然となってきた晩秋のある日、会社帰りの電車の中で声を掛けられた。

疲れてうつらうつらしていると、正面に立っている人に肩を叩かれたというよりもつつかれた。
初めは正面に人がいるのも気が付かず驚いたのだが、いつも同じ電車で見かける顔だった。

何事かと思ったのだが、電車で気になっていたのは他にも理由があった。
意識していなかったのだが、その人物…いや女性に話しかけられてようやく分かった。

「龍星くんだよね。私高校の時の同じクラスの横田。横田瑞稀!」

あっなるほどと思った。
彼女は高校の時ファンクラブが出来るほど人気だった。
生徒会長になるほどの優秀さと、コミュニュケーションスキルを持っていた。

しかしながら自分としては別世界と考えていたのか、さほど興味を持っていなかった。
接点といえば高校2年で体育祭の応援団で一緒に練習した事くらいか。


「ああ、お久しぶり。かな?」
と返すと、彼女は不服そうにしてから

「毎日のように会ってるでしょ。」
と屈託なく笑った。

「髪の色が変わって髪型も短くなってるから気が付きませんでした。」
と、取って付ける。

三十代後半でも素敵な女性としてあり続けてるんだと感心した。

降りる駅を聞かれ答えると、彼女の降りるひとつ前の駅だと言う。

「お茶でもしながら少し話さない?」
そう言われて戸惑ったのだが、単に懐かしいからだという。

「家の事もあるので長くは話せないですが少しなら。」

「敬語はやめてよ。同級生でしょ?」
これが彼女らしさなのだなと思った。

駅前のカフェに入る。

彼女は出版社で勤務しているらしく、水質問題の件を覚えていた。
そのこともあって覚えていたのだと言う。
妻の葬儀にも来ていたそうだ。

インタビューでもされるのでは?
と思ったのだがそんな事は無く、彼女は彼女の身の上の話や高校時代の話を20分程して別れた。


家に帰ると涼子は眠ってるようで、机には晩御飯の肉じゃがと共に(温めて食べてね。お休みなさい。涼子)と置き手紙かあった。

いつもは起きている時間なのに珍しいなと思ったが、疲れているのだろうと涼子には声を掛けず夕飯を済ませて寝た。

8.日常の変化

それから横田瑞稀とは週一で少しの時間お茶をする様になっていった。

日常で起きた出来事などを面白可笑しくはなした。
大体九割は彼女が話していたのだが、ウィットに富んだ話し方は惹きつけられるものがあり、飽きが来なかった。
2年前に離婚した事以外男性関係の話しは聞かなかった。

段々と距離が縮まってきているのを感じたが、それ以上は縮めようとは思わなかった。


そうした新しい習慣が出来始めた頃、涼子が夜眠れないと、たまに部屋に来る様になる。
その頃は高校2年である。

遅く帰る日もあるので寂しいのかと思っていたが、少し違和感を感じて…
というより世間的には良くないのでは、ましてや娘のために良くない。
そう思い。

思い切って瑞稀に電話で相談しようとしたが、留守電だったのでメッセージを入れた。
するとすぐに返信が来て土曜の仕事帰り、会うことになった。

「寂しいのはあると思うけど、反抗期だったから私の時は父親は一緒にいるのも何故か嫌だったな。」

「一概に変と決めつけるのも良くないけど、確かに涼子ちゃんのためにならないよね。」

と言う。

「どうしたらいいかな?」
と聞くと大胆な話が飛び出した。

「私と付き合ってみれば?」
驚いていると

「いや、そう言う風に言ってみれば?って事。」
「涼子ちゃんにもあなたにも過ごした時間があるから、パパを支えるが恋愛感情に似た感覚になってるかもって思ったの。」
「それなら良い人がいるって少し距離を作れば納得して過ごせるかなって。最初はギクシャクするかもだけど。」

妙に説得力がある。
そう思った。

「不安だけど、試しに言ってみるよ。」
そう言うと、

彼女はボソッと
「…良いけど。」
と呟いだ。

何を言ったか聞き直そうとすると、
「今度涼子ちゃん紹介してよ。女友達になれるかもしれないし。こう見えても心は18よ。」
と笑った。

その日帰ると娘は寝ていた。
カレーと置き手紙(温めて直してね。あと疲れてるから起こさない事。涼子)

涼子の部屋を覗くと頭から布団を被り寝息を立てて眠っていた。

明日にしよう。
そう思った。

次の日から瑞稀とは連絡が取れなくなった

9.不審な事故

彼女は山の中見ず知らずの男と練炭自殺をしていたそうだ。
話をした次の日に見つかったと言う。

連絡先にあった私は警察署に呼ばれ、そこで知らされた。

警察からは妻のこともあり疑いをかけたのだが、アリバイもあり。
彼女らしき栗毛の人と男の目撃証言もあり。
まだ口外しない事で釈放された。

もとより言うつもりはなかった。

10.憔悴

疲れ切って夕飯も食べずに寝室に入るといつの間にか眠ってしまっていた。

夜中2時ごろだろうか?
背中に暖かさを感じるふと起きると涼子が後ろから腕を回して寝ている。

またか、疲れからか苛立ちを感じた。
涼子は悪くない。そう思いながらゆっくりと布団から出る。

「起きたの?」と言う声が後ろから聞こえた。
振り返ると今まで起きていた様子の涼子の顔が見えた。

暗がりの涼子の顔は、一瞬娘とは違い。
しかし見知った顔に見えた。

「今日は疲れてるんだ。悪いけど部屋で寝て欲しい。」
と涼子に言うと。

「分かった。じゃあまた高校時代の喫茶店の話をして。」と珍しく駄々をこねた。

仕方なく話をすると、
「真希さんとはすごく楽しい時間を過ごしたんだね。」と言った。

そう言う涼子の顔は綻んで見える。
そして笑顔は心なしか真希と重なる。

すると、神妙な顔になり
「今までと変わらず2人で生活していこうね。」
と言った。

「ああ、でもお前もいつかは大人になって、いい人を見つけて、自分の幸せを作る様になるんだぞ。」

すると涼子は一瞬怪訝な顔をして、少し悲しみを含んだ目で笑った。

11.火に舞う灰

次の日から娘は家を空けた学校もアルバイトも行っていないと言う。

心配になり娘の部屋を調べてみた。何か手がかりになれば良いと思っただけなのだが…

クローゼットの上着を探す。
奥に栗色の繊維が見えた。
それは栗毛のショートカットのカツラだった。

そこで不安になり、悪いと思いながらも日記の最後の一遍を覗く。

「まだ気づかない。」

何かに恐れを感じ、
慌てて部屋を直し、
自室に入る。

朝が来ても考えがこびり付いて眠れなかった。
次の日の夜意識を失うほどに眠ってしまった。

目を開けると夜中だった。
何時かは分からない。

背中に温もりを感じる
その温もりはこう言う。

「私とは一緒に居られないの?
あんな女より私の方が知ってるのに。」

体が動かない。

しかしその声は涼子だ。
いつ帰ってきたのか。
そんな事はどうでも良い。

気になるのはこの匂いだ。

辛うじて出る声で、
「瑞稀のことか?」
と言うと、

涼子は、邪魔だったから。と言った。

そこで理解した栗毛のショートは瑞稀の髪型だ。

若い男は?

言い寄って来て鬱陶しかった。

リュウセイダケナノニ

ママも鬱陶しかった。

マキノモノナノニ

?意味がわからなかった。

無言の疑問に答える様にして、いずみの事も私がやったのよ?

私真希なの。驚いた?

長い沈黙が続く

どうしても一緒に居られないなら分かるでしょ?この匂い。

ガソリンだ。部屋にガソリンが撒いてある。
体にも。

貴方が去ってから悲しかった。でも私も生活を離れられない。

でも良かったまた会えて。

でも"他の所"で一緒になりましょ

部屋に明かりが灯り、みるみる広がる。

視界は黒く滲んでいった。

微かに聞こえる。

私仕事で工場関係者だったでしょ。
そこで研究もしてたの。ある時汚水で死んだネズミと同じ特徴のネズミが汚染水を飲んだネズミから産まれたの。

火事は黒煙を上げ空中に散っていった。

事件は父親の無理心中と評された。

12.epilogue

数ヶ月後病院。

産婦人科の新生児室

泣き止まない男の子と
クスクス笑う女の子

2人の苗字は横田と書いてあった。


ーズットイッショー




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