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誰でもなれるVtuber ~僧侶がほんでん君にかわるまで~

はじめに断っておかなければならないのが、
私はITに全く詳しくない。
むしろ疎い方である。
ただお寺で生まれ、小中高と公立の学校に通い、
立正大学の仏教学部宗学科に通いながら、
日蓮宗立の学寮で僧風生活をし、
卒業して大阪のお寺の副住職として現在に至る。
つまりはパソコン技術を専門的に勉強をしたことは無い。
しかし、コロナ禍の世情の中でどうにか布教の術がないか
模索してたどり着いた結果がYouTubeであった。
そして、幅広い世代の方が見やすい映像布教とは何かを
考えてたどり着いたのが、
ヴァーチャルのキャラクターを使って配信する
「Vtuber」というジャンルではないかと思い、
独学で配信を始めたのである。
「独学」というと大層に聞こえるが、
実は慣れれば非常に簡単だということが分かったので、
「Vtuberをやってみたいけど、やり方がわからない」
「簡単なら私もやってみたい」
という方々に少しでも助力になればという思いと、
自身の備忘録も兼ねて、
この場で簡単な記事にして、
披露をしたいと思う。
ただしあくまで私の方法であり、
他にも様々な方法もあるので、
誤解なきよう気軽にご覧いただきたい。

使用機材

よく聞かれるのが、
「大変な技術だから、
 さぞ機材も大層なものを使っているのでしょ?」
という質問である。
これが全くもって複雑な機材は使っていないし、
キャラクター制作のソフトを購入したわけでもない。
令和3年3月11日現在無料のPCアプリばかりである。

画像1

ご覧の通り、
キャラクターづくりの関しては
パソコンとPCマイクのみである。

画像2

撮影に関しても、ソニーのホームビデオカメラである。
では、次項よりいよいよ「ほんでん君」の作成過程を
お披露目したいと思う。

キャラクター作成①体を作る

キャラクター作成に必要なこととは
①体を作る
②体を動かす
③声を吹き込む
④編集をする
この4つの手順である。
順を追って説明すると、
①の体を作る際に私が使っているのが、
「VRoid Studio」というPCアプリである。

スクリーンショット (2)

こちらはベースを選んで、
それを基に顔や髪型、身体などの大きさやパーツなどを選び、
オリジナルのキャラクターを作成するPCアプリである。
基本は8頭身のキャラクターを作成するのであるが、
自分の場合は可愛さを重視し、
無理やり3頭身まで設定を変えている。
これ以上頭身を小さくしてしまうと、
動かしたときに手が頭にめり込んだり、
笑うと魔物の様な表情になってしまう為、
「撮影・エクスポート」項目で少し動作を確認しながら
たどり着いたのが、現在のほんでん君の設定値である。
ここで完成したら、「エクスポート」といって、
他のアプリで取り込めるようなファイル形式で保存をする。
動かす為に使用するアプリにもよるが、
私の場合は「VRM」形式で保存をしている。
逆に言えば、私の使用しているアプリで動かそうと思えば、
他のデータ形式の3Dキャラクターも、
VRM形式に変換をしなければならないのである。

キャラクター作成②体を動かす

次に完成したキャラクターの動かし方である。
「VRoid Studio」でも「歩く」「走る」など
多彩な動作が出来、撮影も可能であるが、
喋っている言葉に合わせて、
キャラクターの口が動かないと
動画的にどうしても違和感が出る。
その口の動きが「VRoid Studio」では出来ない。
そこで私が使用しているのが、
「3tene」というPCアプリである。

スクリーンショット (4)

VRM形式で保存したキャラクターデータならば取り込むことが出来、
自在に動きやポーズさせることが出来る他、
パソコン内蔵のカメラや外付けwebカメラを使用し、
自身の顔を映すことによって、表情や口の動きを読み取り、
それに合わせてキャラクターの表情も動くのである。

スクリーンショット (5)

自身の顔を読み込むことを「フェイストラッキング」
唇の動きを読み取り、動かすことを「リップシンク」という。
ちなみに対応した機材があれば、上半身を動かすことのできる、
「全身操作」という機能もあるが、
私は機材を持っていないので、試したことは無い。
私は全身操作に関しては、アプリ備え付けの動作を、
セリフにあわせてマウスで選択して操作している。
この撮影の時に気を付けなければならないのが、
背景を緑か青一色に統一する事である。
最後の編集の際に重要になってくるのであるが、
後に編集の項目で詳しく説明したいと思う。
動きが撮影出来たら、次は音声である。

キャラクター作成③声を吹き込む

今まで紹介してきた「VRoid Studio」「3tene」では、
実は声を録音することが出来ない。
そこで私は「恋声」というPCアプリを使用している。

スクリーンショット (6)

この恋声であるが、ただ録音するのみならず、
変声機能もついている。
「Pitch」と「formant」という、
「声質」と「周波数」の数値をいじることにより、
高くも低くも設定することが出来る。
しかし100という基本値から離れすぎてしまうと、
機械的な声になりすぎるので、
自然な声を意識する人ならば注意と、
吹き込む自身の声に裏声を使うなど、
工夫も必要である。
デスクトップに新しいフォルダを作り、
「恋声」の設定内で録音した声の保存先を
そのフォルダにすれば、
データの見失いをすることなく、
後々の編集の際に楽である。

キャラクター作成④編集をする

ここまでの手順でキャラクター動画を作るのに
必要な素材はそろった訳である。
あとは、一つにまとめる作業が必要であるが、
動画編集だけは私は有料の、
「Corel videoStudio」というソフトを使用している。

ko-reruスクリーンショット (1)

真ん中より下のところに、
5行ほど帯のようなものがあるが、
上から基本映像・画像データ
挿入映像データ
テキストデータ
音声データ
音楽データ
上記を当てはめていく項目である。
上の写真は、ベースとなる本傳寺の映像データに、
「3tene」のほんでん君データ、
「恋声」のほんでん君音声データ、
「 DOVA-SYNDROME」という
フリー音楽サイトからダウンロードした
「こどもの王国」という音楽を差し込んだものである。
しかし、これだと一つの映像に合成できていないので、
ほんでん君の映像データの
「マスク・クロマキー」にチェックを入れると・・・

ko-reruスクリーンショット (2)

ほんでん君の背景の緑色が透過されて、合成できるのである。
この様に撮影の際、背景を青か緑にしてその色を透過させ、
合成させることを「クロマキー合成」という。
この工程の組み合わせにより、
ほんでん君の動画が完成するのである。

終わりに

最後に注意点を申し上げたいと思う。
まずYouTubeで作成した動画を配信するのであれば、
BGMや効果音などの音声や、
その他諸々の著作権はしっかりと確認して頂きたい。
折角長い時間をかけて作ったのに、
著作権の関係で配信できなくなることも、
大いにある事である。
世に届けたい動画であればあるほど、
皆が気持ちよく見れる動画作成を心掛けている。
これまで説明してきた手順は、
比較的触りやすく、慣れやすい手順であると私は思っている。
しかし一番は自分にあった方法を見つけることである。
Vtuber配信に興味がある方が私の記事をみて、
参考にして頂ければ幸甚である。
願わくばそのご縁により、
私のyoutubeチャンネルをご覧いただき、
仏さまとのご縁も繋がればと祈る次第である。

「本傳寺(ほんでんじ)チャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UC0x3IS8THh9grjCJjHWKvQQ

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