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Sensory Percussion日誌 02

〜ベロシティとゴーストノートの巻〜

こんにちはヒマラヤです。前回はとりあえず音を出すところまで進みましたので、もう一歩踏み込んだ設定を施し、より音楽的な表現をしていきたい思います。

今回のサブタイトルにもある「ベロシティ」ですが、実際に説明してみるとなると難しかったのでWeblio辞書から引用させて頂きます。

ベロシティとは、電子楽器の演奏情報のやり取りをするための規格であるMIDIにおいて、音の強弱を表す数値のことである。 ベロシティは0~127の128段階あり、0は無音、127が最大の音の大きさとなっている。 ベロシティは、英語で「速さ」を意味し、鍵盤が押し込まれる「速さ」のことを指している。

楽器を演奏する際、音の強弱を表す共通言語として「強調して演奏する」という意味のアクセント等がありますが、電子楽器はそういった記号を使わず、引用にもある通り0から127の128段階で数値化されています。MJ Coleが楽曲制作する際にも、ベロシティ設定を駆使して特にハイハット周りの強弱に神経を注いでいる様子(2:00辺りから)が伺えます。

ドラムの演奏においても音の強弱、中でもスネアのゴーストノート(聴こえるかどうか位の音で演奏すること)はビートを構成する重要な要素の一つです。個人的にゴーストノートがいい感じの曲でパッと思い浮かんだものを載せておきました。

1:21からのブレイクは各所でサンプリングされていますので、聴き覚えのある方も多いのではないでしょうか。基本的には2,4拍目にアクセントを置くバックビートですが、注意深く聴いてみると間を埋める様にスネアのゴーストノートが聴こえますね。

こういった自然と体が動いてしまうドラミングも素晴らしいですが、折角なので今回はSensory Percussionのベロシティ設定を利用して生ドラムでは出せないバックビートを鳴らしてみようと思います。

ベロシティ設定・基本編

01.どんな音を鳴らしたいか決める
初期設定の段階でこちらの叩いた強さに応じて音声サンプルの音量が上がったり下がったりしますが、もう少しメリハリが欲しいので128段階の丁度中心値である64以上と未満にそれぞれ別の音声サンプルをアサインしたいと思います。折角なのでお互い全く印象の違う音色にしましょう。今回はSpliceから出ているSOPHIEのサンプルパックから2つの音声サンプルを使います。(SOPHIE_snare_11.wavがゴーストノート用の音、SOPHIE_percussion_14.wavがアクセント用の音です。)

02.centerの部分にアサイン
前回と同様に音声ファイルをドラッグするだけなのですが、必ずゴーストノート担当の音を先にアサインしましょう。

03.Samplerの設定
右側の窓、Sampler内にあるvelocityの中心の丸い部分を左上にドラッグ、最大音量で鳴ってしまいますが後の工程でうまいことなりますのでヒマラヤを信じて下さい。このままでは両方のサンプルが同時に鳴ってしまうので、samples:の横のallをcntrlに変更しましょう。

04.controllerの設定
左側の窓にあるcontrollersをクリック、右上の+ボタンを押すとツールバーが出ますのでVelocityを選択。pad:をcenterに設定してから更に下部、assignmentsの隣の緑の十字アイコンをSampler内のcntrl横にある数字のボックスへドラッグしましょう。

下部のrngeはスネアを叩いた時の強さに応じて1か2、いずれかの音を鳴らす事を表しています。今回は最初にアサインしたゴーストノートの音を1、その次にアサインしたアクセントの音を2としていますのでこの部分は何も触らないで結構です。

05.実際に叩いてみました
ハイハットとキックが無いのでビートのイメージが掴み難いかもしれませんが、ややこしい設定をした甲斐あってなのか、SOPHIEのおかげなのか、中々個性的な仕上がりになったのではないでしょうか。余談ですがワイプ編集を覚えました。

以上、ベロシティ設定の基本編でした。次回は応用編と題しまして、controllerの設定を少し変える事でより複雑な表現に挑戦していきたいと思います。

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