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感染症拡大防止の条件をクリアした作品と演出で送るという、Aramacky presents「無理ばっかり。」@ぽんプラザホール(福岡市博多区)を観てきた。

感染症拡大防止の条件をクリアした作品と演出で送るという、Aramacky presents「無理ばっかり。」@ぽんプラザホール(福岡市博多区)を観てきた。

ネットでもダウンロードできる、当日パンフレットによると、これまで通りの公演を続けられないという、演劇に降りかかる厄災を、天からの「お題」と捉えて、立ち上がったようだ。このために作られた三本の短編を含む四作品を、オムニバスとして一つの公演としている。

演劇公演を実施するにあたる、新たにできた様々なハードルについての「無理ばっかり」という被害者的な感情と、それらのハードルに付き合わせて、お客さんや役者さん、スタッフさんに対しても色々「無理ばっかり」なお願いをしているという申し訳なさが混ざってるこのタイトルが良い。

こんなに短く、よくありそうなフレーズで、意外と検索にも引っ掛かりやすいということを考えると、秀逸と言っても良さそう。

舞台上は、黒地に白で、役者が、他の役者や観客と離れているべき距離が示される。面白い!と思うと同時に、ものものしさも感じる。

久しぶりのぽんプラザホールで、わくわくしつつも、緊張感は抜けない。

上演中スマホを鳴らさないようにしなくっちゃいけない、途中退出しなくていいように、トイレは済ませておかなくてはいけない、という従来から求められているこの程度の緊張には慣れていたのだけれど、やっぱり新しい生活様式が身についているかどうか、あるいは、その振る舞いが他の人から見ても許されるものなのか、結構緊張した。その緊張感は、電車の中で感じるものと大差ないのだけど、その状況下で作品が楽しめるかどうかということがポイントだ。

70分の作品。

最後の10分くらいは、ようやく声に出して笑うことができた。恐らく、最初の60分間は、緊張が勝っていた。

こういうことを繰り返しているうちに、だんだん慣れてきて、いい感じの緊張感で作品を楽しめるようになるのかもしれない。このリハビリの前哨戦として、果敢に、そして、皮肉たっぷりに上演してくださった、むりばかおじさんこと荒巻久登氏に深くお礼を申し上げたいです。

劇団オリジナルTシャツを、積極的に買い込む荒巻氏が満を持して作られた、むりばかTシャツ。これは買わねば!と思ったけど、「劇場にとどまらず、早く帰らなきゃ!」という強迫観念にとらわれて、買わずに帰ってしまった。ネットで買うかな。

Aramacky presents「無理ばっかり。」


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