第3ボタンの思い出

卒業シーズンですねー。

私は中学校の卒業式がとても印象に残っています。

今日はそのエピソードを書かせてください!


どことなく品がある男の子


私は三年間、ずっと同じ男の子に片想いしていました。

三年生では同じクラスにもなりました。

でも恥ずかしくて声をかけることもできず、ほとんど会話らしい会話もした事がありませんでした。

ただ片想いしている事自体が楽しくて、まさに恋に恋してたのです。

その男の子は頭が良く、運動神経も良い、でもでしゃばらない。

そして何より清潔感があり、上品な印象がありました。

目立つタイプではなかったので、すごくモテるという事はないものの、何人かの女の子がかっこいいと言っているのを聞いたりしました。

そんな彼に告白する事もできず、とうとう卒業の日を迎えてしまったのです。


勇気を出してもらいにいった第2ボタンは…


式が終わり、みんなで写真を撮ったりしながら別れを惜しんでいたのですが、そこで彼が廊下へ出ていくのを見たのです。

もう会えなくなってしまう!

私は勇気を出して彼のあとを追いかけました。

あの!

ボタンくれへん?

彼は一言「うん。」と言うと第2ボタンに手をかけました。

第2ボタンまだ残ってた…良かった。

と思ったら中々ボタンがとれません。

ん??

縫い付けてあるやん!!

学ランのボタンは取りやすくなってます。

おそらく彼のお母さんが、落とすといけないと思い縫い付けたのでしょう。

待っていても第2ボタンはとれず、次は第3ボタンに挑戦。

今度はなんとか縫ってある糸が切れ、ボタンは取れました。

「はい。」と彼はその第3ボタンを私にくれました。

そうゆう所なんだよなー。

縫い付けてあるボタンから、彼のお母さんの愛情や、彼自身の育ちの良さを感じ、やっぱり良いなぁとしみじみ思ったのでした。

その後彼とは高校も別々になり、成人式で一度会ったきりです。

どこかで元気に幸せでいてくれたらいいなぁと思います。




#みんなの卒業式

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