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呪詛

源朋子が藤原兼家を呪い殺した?物堅いと史実

安和の変(史実)
俊賢と明子の父・高明(たかあきら:醍醐天皇の第10皇子。臣籍降下の後に左大臣)は、安和2年(969)に藤原氏の策謀により失脚し、大宰府へと左遷されました。
安和2年(969)3月、高明は為平親王を擁立して謀反を起こそうとしたとして、大宰権帥に左遷となり、九州に配流となりました。平安貴族に死罪はなかった。

そして3年後、罪を許され帰京する。恩赦
天皇に近い貴族が罪を犯しても、反省したら天皇に感謝ちつつ戻ってこれるルールだったようですが、役職や身分は戻らない。

物語(恨みによる呪詛)
源明子は、醍醐天皇の孫で身分は高いが、安和の変で後ろ盾を失い、
藤原道長の妻となり天皇家の血筋を藤原家と交わらせ身籠った。
藤原家の子は運が良ければ天皇家に入れるからだ。
NHK大河ドラマ『光る君へ』に描かれた、瀧内公美演じる源明子は、
道長の父である兼家を恨んでおり、兼家が使っている扇子を頂いて
呪詛する。(髪、爪、持ち物などが呪詛に使われていたという)
兼家は真っ赤に染まる月の下、屋敷の庭で生涯を終える。
父の無念を晴らした明子も同時刻に道長の子を流産する。

床に伏せる明子を見舞う道長は喪中である(京都全体が喪中)
「生まれぬ宿命の子もおる。そなたのせいではない」と慰め、
道長の穢れを気にする明子に「しきたりなぞ気にするな」と声をかけ
「また来る」と言い残して去っていく。

丑の刻?
祭神が丑年丑月丑日丑刻に降臨した古事に因み、心眼成就すると言うことです。

貴船神社(京都)は、丑の刻参り発祥の地という伝説があります
上流貴族である夫に捨てられた女性が、貴船神社の杉の木に毎夜、藁人形を打ち付けて夫を殺そうとします。
呪われた元 夫は体調が悪くなり、陰陽師の安倍晴明に相談しました。
晴明は元 妻が丑の刻参りをしていることを見抜きました。
呪いが完遂する夜、妻が弱った夫を連れ去ろうとしましたが、晴明に阻止されます。
失敗した妻は怒りと悲しみで井戸に身投げしてしまいました。
人々はその井戸の近くに「鉄輪の碑」を御神体として祀った「鉄輪社(かなわしゃ)」という祠を建てた。

自宅などに神を祀った人々を「神道者」という。
多くは吉田家や白川家の門人となり、両家も彼らを傘下に収める事で勢力拡大を図った。
中には弟子を抱え、講を結成したり、人々に自宅の祠を参詣させる神道者もいた。
明治維新後の神道国教化の過程で国家や神社の統制下にはないこうした神道者の廃止も意図され、
明治5年(1872年)には神道者を対象とした「神職の廃止」が命じられ、
明治10年(1877年)には教部省によって小祠の廃止も命じられて、神道者は存立の根拠を喪失した。

この時に廃止となった鉄輪社は、のちに再建され、今では縁切り祈願に訪れる人や、写真を撮る人が訪れるという。

丑の刻参り
相手の爪や髪の毛を入れた藁人形と鏡、五寸釘と金槌、そして白装束に一枚歯の下駄
鉄輪に(料理に使う五徳を逆さにして)三本のローソクを立てて頭上に載せます。

丑(うし)三つ時(午前2時から3時の間)に神社に参り、御神木に藁人形を打ち付けます
これを七日間、誰にも見られずに行うのが「丑の刻参り」で、誰かに見られたら呪いは自分に
返ってくるという大きなリスクを伴うとされます。
人に見られないように山中の神社で行われることが多いようです。

メソポタミアに伝わる人を呪う方法は、丑の刻参りと似ています
等身大かミニサイズの人形化の違いがある
他人に見られると呪いが跳ね返ってくるというのも似ています。

ギリシャで違法な呪い
サタンの名において相手の不幸を願う方法は、ギリシア・ローマに伝わる呪いの方法です。ローマの法律では禁止されており、この呪いで多くの人が死んだとも言われています。
方法は、相手の目を見ながら「汝、〇〇(相手の名前)に災いあらん事を願う、サタンの名において」と呪う。

アメリカのアパラチア地方では、ガラスが割れた音を聞くのは、知人が死んだ知らせだといわれます。
月の見えない深夜、十字路に行き、青いグラスを落として割り、「◯◯(相手の名前)が死んだ」とつぶやくと、その相手はまもなく死ぬといいます。

陰陽道の呪詛「蠱毒」
毒蛇、百足(毒雲、ガマ)など、毒を持つ生き物をたくさん壺に入れて共喰いさせます。
最後に残った生き物を「蠱(こ)」といい、その最強の蠱に相手を噛ませ殺害したり、
蠱を黒焼きにして粉末にしたものを相手の食べ物に混ぜたり、相手の床下に埋めたりします。

密教の呪詛「摧魔怨敵法」
栴檀(せんだん)という木で転法輪筒という長さ十二指、周囲八指の筒を作ります。
その中に、足下に相手の姓名を書き、頭を不動像に踏ませた人形を折りたたんで封じ込めます。
それを壇上に安置して、十八道という密教の行法を行い、本尊に加護を祈ります。
終わると人形を取り出して燃やします。

密教の十八道とは、18種類の契印(けいいん)と真言によって神仏を迎え、供養する密教行法です。密教の基本的修行方法で、主賓として招く仏様(諸尊)は大日如来、不動明王、降三世明王、如意輪観音、曼荼羅などです。
十八道は、天台宗では密教行法の四度加行(しどけぎょう)の最初に行う密教の登竜門です。

本来、仏の教えは幸せに導くものであり、人を呪うものではありません。
呪詛を知り、呪詛を跳ね返す術をなすお祓いは行われる。

呪い8割、2割返る。失敗すれば10割返る。
呪詛を行うものは呪いが蓄積してしまい長生きできないと言われますから、職業として他人の依頼でやる術者は少数でしょう。

人は人を呪い殺せ無いと心せよ

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