『非認知能力-概念・測定と教育の可能性-』小塩真司[編著] 読書メモ

学んだことを整理する目的の読書メモです。つまり、あまり整理されていないです。


まえがき

「noncognitive(非認知)」は2010年以降によく見られるような言葉。保育・教育の実践の文脈で言及され、非認知能力を高めようとする実践がみられるようになってきている。

『非認知能力-概念・測定と教育の可能性-』

→最近、メディアに登場して話す人も増えてきた。教育経済学者で中室牧子教授とか

非認知能力は、心理的な機能として認識されているが、はっきりとどの機能かについては多様かつ曖昧で、いろんな人がいろんな解釈をしている。そのなかで、本書は15の心理的特性に注目する。「誠実性」「グリット」「自己制御」「好奇心」「批判的思考」「楽観性」「時間的展望」「情動知能」「共感性」「自尊感情」「セルフ・コンパッション」「マインドフルネス」「レジリエンス」「エゴ・レジリエンス」の15個

『非認知能力-概念・測定と教育の可能性-』

ここで現在、日本の学校教育のなかで子どもの能力を表す概念に触れておきたい。

日本の教育においては「生きる力」として定義されていた概念が非認知能力に近いと思う。知徳体、つまり、確かな学力、豊かな人間性、たくましい体のバランスが取れた人間が、生きる力を持つ人間ということでした。最近の学習指導要領では、生涯学習のニュアンスも含まれた資質・能力の三つの柱が登場した。

資質・能力の三つの柱

本の話に戻ります。

人によって幸せが違うように、絶対的によい結果とは言い切れない部分があるため、個々の非認知能力をより高いレベルにもつことが、よい結果を生むとは限らない点に注意すること。

『非認知能力-概念・測定と教育の可能性-』

また心理特性である非認知能力は、個人の中で固定化されたものではなく、何らかの形で変化していく可能性はある。それは教育場面、社会的な政策の影響下、臨床場面などの環境のもとで変化していく。どのような環境でどの程度変化するのかが、研究によって見えてくれば、それは教育の可能性について示唆を与えてくれるだろう

『非認知能力-概念・測定と教育の可能性-』

非認知能力とは

非認知能力について考える前に、まず「認知能力」とは何か考えてみよう。

「認知能力」とは知能検査で測定されるような能力のこと。特定の課題に対してできるだけ素早くあるいは多く解答すること、また正確に解答することが求められる問題をうまくこなすことが認知能力です。

『非認知能力-概念・測定と教育の可能性-』

心理学者キャッテルは、速さと正確性が求められる流動性知能と、語の理解や一般的な知識を背景とした結晶性知能という二つの知能を想定しています。

『非認知能力-概念・測定と教育の可能性-』

もう少し詳しく説明すると、結晶性知能とは、学校で受けた教育や仕事・社会生活の中で得た経験に基づいた知能である。例えば、言葉の分析、単語力、語学能力など。一方、流動性知能とは、新しいことを学習する知能や、新しい環境に適応するための問題解決能力などのことである。

レイモンド・キャッテルによる知能の分類

出典: https://www.tyojyu.or.jp/

キャッテルは、結晶性知能は20歳以降も上昇し、高齢になっても安定している一方、流動性知能は10歳代後半から20歳代前半にピークを迎えた後は低下の一途を辿るとし、知能には加齢に伴って低下しやすい能力だけではなく、維持されやすい能力があると考えた。

高齢期における知能の加齢変化 / 西田裕紀子
 

以下、非認知能力について。

1.誠実性 conscientiousness

学習における誠実性は「やるべきことを、やるべきときに、やる」といった課題等にしっかり向かう力のこと。本では厳密な定義として「自分の衝動を社会の規範に沿って適切にコントロールし、課題指向的かつ目的指向な行動をとる傾向」を挙げている。誠実性はビッグファイブ因子の1つ

『嘘』を見抜いて自己分析! | ビッグファイブ性格診断

誠実性には、規律、勤勉、慎重、責任感、計画性などが関連していたり、グリットや自己制御・自己コントロールと密接に関わっている。



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