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福丸小糸が抱える孤独さについて

初めまして、本間です。

前に福丸小糸のW.I.N.G.編の感想を書いた記事を投稿したのですが、その次の日にnoctchillのG.R.A.D.編が追加され、しかもその中で私が指摘した箇所に関して小糸自身も違和感を覚えていたのです。


ということで今回はその流れを受けて、福丸小糸のG.R.A.D.編についての記事になります。

本題

私が前回の記事で福丸小糸に対して指摘したこと、それは「W.I.N.G.編の最後で語った『どんなアイドルになりたいか?』という問いに対する回答が、履歴書の志望動機欄に書いたような都合の良いアイドル像だ」という内容でした。

福丸小糸自身もこの指摘に似た違和感を覚えていたようで、G.R.A.D.編の途中でプロデューサーに対して以下のようなことを語ります。

「わたし どうなりたいかって、そればっかりで どうやったらそうなれるのかって事…… ちゃんと考えられて、ませんでした」
「全然、地に足が着いていない…… ゆ、夢みたいな話だったんだなって思って」

これに対してプロデューサーが「俺が上手くやれてないから」だと謝罪します。しかし小糸は「そうじゃなくて」と否定し、自分の目標が曖昧だからなのだと説明します。

「なんとなく……なんのためでもない練習をして わたしだって、『何か』のために頑張りたいのにって ——……いつも その『何か』が来てくれるのを ただ、待ってるだけだったんです ……今までずっと、そうだったんです…… だ、だけどもう、それじゃだめで 自分で、考えていかなきゃいけないんだって……」

なりたいアイドル像へのアプローチ方法が具体的ではない事と、現在の努力が自発的なものではなく、他者から与えられたものである事に葛藤を覚えている様子です。

私はこの流れを見て「あぁ良かった良かった。この後はその『何か』を見つけた福丸小糸が明確な目標を持って努力するんだろうねー」と思ったのですが、しかし、結局この後も「まぁとりあえずG.R.A.D.優勝しようよ、そしたら何かあるからさ」に留まってしまい、その『何か』が何なのかと、なりたいアイドル像へのアプローチ方法は抽象的なままストーリーは終わってしまいました。

この福丸小糸のG.R.A.D.編の面白い所は、noctchillの他のメンバーのG.R.A.D.編と比較すると、小糸がまだアイドルとしての自分に迷っている中、他の三人は、アイドルとしての自分に対するある種の答えの様なものに辿り着いている点です。(正解を一番気にする小糸が、その答えに辿り着けていない)現在シャニマスの共通コミュはG.R.A.D.編までなので、福丸小糸はアイドルとしての自分を明確に認められていないままとなります。(尚更他の三人と距離が離れてしまったね……)

私ならこの局面をどう乗り越えるか

ここからは、今後の福丸小糸の成長の仕方に関する、個人的な予測の様なものになります。

現在の小糸は「『努力する事は正しい事である』と感じている自分」と「『努力する事は恥ずかしい事である』と感じている自分」という二つの人格に囚われ、その二つの人格が自己の中で対立を起こすことで、自己矛盾に陥っているように見受けられます。
(努力する事が正しい事なので努力をするが、努力は恥ずかしい事なのでその努力を隠す。すると「正しい事なのに隠す」という矛盾のようなものに突き当たる。そして、この矛盾と思える問いに対して明確な答えを用意出来ないと、自分の生き方が論理的に破綻しているかの様な自責の念を抱えこんでしまう)

こういった一見すると矛盾にも思える精神状態は誰もが抱えるもので、まさに浅倉透と樋口円香もG.R.A.D.編を通してその矛盾を乗り越え「ありのままの自分」を見つけ出す事が出来たのです。(市川雛菜だけは最初から理解している感じですが)

今後、小糸が「ありのままの自分」を認められる様になる為には「何故他人に努力を見られたくないのか?」という問いに真剣に頭を悩ませる必要があるように感じます。
この問いに彼女自身が納得のいく答えを導き出せた時、前述した自己矛盾を超越した「ありのままの自分」が現れるのだろうと思っています。

終わりに

今回、そして前回の記事で、彼女の孤独さが際立っているような記述をしましたが、その孤独さは「置いていかれている」とも「引っ張っている」とも取れる孤独さです。実際、G.R.A.D.編でプロデューサーが語ったように「考えて前に進んでいける」そのひたむきな姿勢は、何よりも彼女を彼女たらしめる大きな要素ですし、noctchillの他のメンバーにはあまり無い側面です。またその姿勢によって確実にnoctchillは推進力を得る事が出来ているのです。

どうか今後、彼女が自分自身を形作る「福丸小糸」を認めてあげられる日が来ますように……

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