MMD用3Dモデルを3Dプリンタで印刷する方法~霧ちゃん実現化計画~
はじめに
アドカレ記事です
シャニマスでは田中摩美々担当、Honazoと申します。
よろしくお願いします。
この記事は298production Advent Calendar 2022の6日目の記事です。
筑波大学アイドルマスター研究会 298プロのアドベントカレンダー企画になります。
こちら↓、前日12/5のmartさんの記事になります。
Never end "Opus"いいですよね…
自分もSIdeMミリしらですが、Altessimo関連で神楽麗のソロ曲Echoes My Noteとか好きです。
霧ちゃんとは
まず霧ちゃんって何?という説明をざっくり
霧ちゃんとは、
アイドルマスターシャイニーカラーズ(シャニマス)のゲームシナリオLandingPointにて2021年6月に登場した、幽谷霧子というアイドルを模して造られた対話型ロボットです。
幽谷霧子って?LandingPointって?と言った詳しい内容は是非シャニマスの幽谷霧子LandingPointをプレイして知ってほしいです。と言うのもこのシナリオ、幽谷霧子の理解を深めるのに非常に良いコミュだからです。(以下ネタバレ、解釈注意)
まず、霧子ちゃんは自分以外の物を「見る人」としての才能があると感じています。人間以外の物に人格や物語を見出して語り掛けたり、他の人の気持ちや考えを深く考えて優しく接していたり、遠い宇宙の景色を想像膨らませたり、と感受性の高さと想像力の豊かさが髄所に見受けられるからです(【琴・禽・空・華】のコミュとかも読んで欲しい…)。しかし、このコミュにおいては、霧子ちゃんが自分以外の世界から 「見られる人」として意識させられることになります。自分がどのように解釈されて(余談ですが、シャニマスは作中で登場するオタクのディテールの追及に余念がないことで有名です。このシナリオで登場するオタクは霧子ちゃんの解釈バトルをしてたりします。あと記憶が確かならシャニP(=シャニマスのアイドルのプロデューサー、ここでは作中のキャラクターの意味を指す)が霧子観を熱弁する場面もあったような気がします。「—その、俺の知ってる霧子ってたくさんの霧子の中の、一部なんだなっていうか・・・・・・」(別のシナリオにて、シャニP談))、ファンや周りの人にとって幽谷霧子私自身とはどのように捉えられているのか…そんなことを考える話です。アイドルになった霧子ちゃんの一つの成長点のようなコミュと言えます。
そんなコミュで登場する「霧ちゃん」は、現実の AlexaやGoogleHomeのような機能を持つ対話型AIです。外見的特徴は詳細には記されていませんでしたが、おそらく霧子ちゃんの外見を模した小さい人形のような物です。人が話しかけるとあたかも幽谷霧子本人のように返答してく れる機能を搭載しています。また、世界中の使用者の意見をフィードバックして、より本物の霧子ちゃんが答えそうな事を返答できるよう改良が行われるようです。
(masiwさんという方の二次創作ですが霧ちゃんは多分こんな感じ↓)
霧ちゃんを作りたい
本物の幽谷霧子は現実にはおそらくいない。でも、作中作である霧ちゃんであれば現実でも会えるのでは?そう考え、霧ちゃんを作ってみたいと思いました。
しかし、いきなり対話型ロボットは作れない…。そこでまずは霧ちゃんの筐体を作ることにしました。 (そのうち余力があれば中身も作りたい)
MMD用3Dモデルから3Dプリンタで印刷するまで
1.MMD用の3Dモデルをお借りする
まずは印刷する前にその設計図になる3Dモデルを用意する必要があります。3Dモデル造形の技術が全くないので、そこはお借りすることにしました。
MMDとはMikuMikuDanceというキャラクターの立体に踊りなどの動作を着けたCG映像を作成する為のソフトです。MMD用のモデルは有志の方が無償で配布してくれていることが多く、その種類も非常に豊富です。
今回はやためさんという方が公開されている幽谷霧子をお借りしました。
2.MMD用の3Dモデルを印刷に使えるよう編集する
MMD用のモデルをそのまま印刷することはできません。というのも、MMDモデルはCG用のモデル なので外見が問題なければ良いという作りになっているのですが、3Dプリンタで印刷するモデルはしっかり「裏面」も入っていないといけません。その為、3Dモデル編集ソフトBlenderやMeshmixerを使って編集をしました。
この工程が一番面倒でした…
まずはBlenderにMMD用のファイルがインポートできるようにする必要があります。「mmd_tool」というBlenderアドオンを導入することでこれが可能になるという事で、ググってやり方を調べて導入しました。
ここから先は
Blenderでモデルのボーンをいじりポーズを調整
→stlで出力
→Meshmixerでそのstlファイルを開きモデルの外形にまとわりついた謎のボクセルを除去
→編集後stlで出力してBlenderにてそのstlファイルを開く
→Blenderを用いてスカート裏や手首などにある閉じていない領域を手作業でポリゴンで埋める
→stlで出力(最終データ)
と言った流れです。
この辺の技術的な所こそ手順を纏めてネットに上げればいろんな人に役立ちそうなんですが…いろいろこねくり回しててあんまり覚えていないorz
必要があればTwitterの技術アカウントの方にご連絡ください。(@skmmmp)
それと、最後のBlenderの手作業編集は友人に手伝っていただきました。感謝❗️🙌✨感謝❗️🙌✨
3.3Dプリンタで印刷
3Dプリンタは、単に3Dデータを入力すれば印刷してくれる訳ではありません。3Dプリンタが印刷するときにプリントヘッドをどのように移動させるかなどを事細かに指示した情報(gcode)を与える必要があります。
先程作成したようなstlファイルがあれば、スライサーソフトという3Dプリンター専用のソフトウェアを用いて簡単にgcodeに変換できます。
この際、プリントの大きさや向きなども設定します。
自分はCuraを使っています。
後はもう印刷するだけです。
印刷に使った3DプリンターはEnder-3 S1です。
家庭用3Dプリンターとして必要な機能が十分にあり、シンプルで扱いやすく、ユーザー層も厚く、価格も手頃と、自宅に3Dプリンターが欲しい初心者におすすめの1台です。
では、ようやく印刷です。
14時間後…
印刷完了!!!
そしたら最後はサポート剥がしです。
3Dプリンタで印刷する際、重力に逆らう部分を支える必要がある為、サポートという支えを一緒に印刷するのですが、 印刷後はそれを剥がしていきます。これがデータ作成に続いて2番目に面倒でした。
霧ちゃん実現化計画の今後の展開
今回はMMD用のモデルを3Dプリンタで印刷し、 霧ちゃんの筐体部分を作ることができました。
ですが、霧ちゃんの本質は対話型AIにあります。本当は簡単な画像認識AIや収録音声の再生機能などを実装したかったのですが、それは後々時間があ るときに続けて行ければと思います。
2022年も終わりに近づいたあたりで、イラストや小説あるいはチャットなどで一般の人が使用できるAIサービスが続々と台頭してきています。その辺のサービスを利用しつつ、音声の書き出し・読み上げの部分をうまく組めれば現実的にできそうな気がしています。
また、今回は3DプリンタでMMDモデルを印刷しただけで、フィギュアなどと比べると見た目は雲泥の差でした。この辺は塗装などが必要になります。プラモデルや模型趣味の方々はすごいなーと思う機会になりました。
最後に
アイドルマスターシャイニーカラーズは非常に盛り上がっているゲームです。ゲームとしてどうかというと説明が難しいですが、まずは「2次創作絵をより楽しめるように原作を知ってみよう」くらいの感覚で触れてみてはいかがでしょうか?
最後に、MMDモデル作者のやためさん、Blender での編集を手伝ってくれたねるねくん、展示場所を用意していただいた298プロ(筑波大学アイドルマスター研究会)の皆さん、ありがとうございました。
おまけ
学祭で展示して貰いました
今年の筑波大学の学祭にて、298プロの展示ブースに今回作った霧ちゃんを置かせていただきました。
298プロに籍を入れておきながらほとんど参加せず、たまに企画にだけ顔を出し、この霧ちゃんも学祭当日朝に展示ブースに押しかけて展示をお願いするという厚かましいムーブを決めておきながら、快く展示を受け入れてもらいました。本当にありがとうございますm(__)m
さらに、その298プロの学祭企画であるシャニマスクイズ大会に参加してきました。
ニコニコ動画で培ったミーム知識を生かした結果、難問に正解し景品としてUOを頂きました。
来年3月のシャニマス5thライブが当選した!!!ので、そこで使おうと思います。
楽しい企画をありがとうございました。
また、何か企画があれば是非参加させてください。
今後ともよろしくお願いしますm(__)m
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