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コロナが出ない島で、コロナが終息するとき@離島・へき地で未来の医療体験記

歌舞伎役者志望です。

こんにちは、あっという間に3月は過ぎいよいよ室原が医者を休業するまであと2週間となりました!飽き性の自分としては7年も続くことも珍しいので、医者という仕事はなかなか自分に合っているのかなと振り返ったりしています。

今回は、あまり触れてこなかった新型コロナウイルス感染症について!最近文化人類学者の方とゆっくりお話しをさせて頂く機会があり、その時に教えていただいた話が思わずなるほど~って唸っちゃったのでその話をさせてください!

我が家の変態仮面

自分が生活している鹿児島県の下甑島。人口2000人弱の小さな離島なのですが、コロナが流行りだした約2年前から現在までほとんどコロナ感染者は出ていません。感染者数「0」の日がほとんどです。そんな日本でもトップクラスに平和な場所でもしっかりコロナの脅威は押しよせていています。そして自分がずっと思っていたのは、
『この感染者数ほぼゼロのこの土地で、コロナが終息するってどういう状況なんだろう?』
ってことでした。

かなりの情弱の室原でも、さすがに都会の人々が「感染者数」と「生活の質」にうまく折り合いをつけ始めていることは感じています。感染者数は都会の方が圧倒的に多いのに、コロナに対する恐怖心はこの島の方が大きい(気がする)。

『この折り合いはどこからくるんだろう?』『慣れてきたってニュースで言ってたけど何に慣れたんだろ?』ってなんとなく思ってて、今回その疑問をこの文化人類学者に聞いてみたんです。そしたら、

「ニュースとかより、身近なところで判断するようになったね。友達がコロナにかかったけどその症状が軽かったとか、そういう話でコロナに『実感』が伴い始めて対応が変わったかな」

って。文化人類学者の言葉って素敵ですね(笑)  この『実感』って言葉にめちゃめちゃ納得しちゃったんです!ウイルスに『感触』が伴ってきたんだなって!僕たちはテレビなどで、都会の人たちと同じ情報を受け取ります。コロナの『恐怖』はテレビや携帯の画面越しに伝播する。都会の人たちはそこに『実感』という武器を持って折り合いをつけていくけど、僕たちはこの『実感』という武器をなかなか持たない。コロナを『実感』することが幸いにもなかなか出来ないんです。そしてコロナの恐怖がどんどん大きくなっていっちゃう。

そういう場所でどうやってコロナが終息するのか。
この島がコロナにどう折り合いをつけるのか。
皆が『実感』できることろまで島内で感染者数が増える必要があるのか。
都会とは違うところで折り合いをつけるのか。

全く答えは分かりませんが、ほとんど島外に出ない室原にこの『実感』が全く伴っていないことは確かです(苦笑) なんか医療者として逆に危うい気もしてきました。。。コロナの輪郭がつかめない。。。
ところが幸か不幸か、室原は来月から月に1回熊本に出稼ぎに行く予定です。医師休業と言っても家族を養うため島外に出て短期間働きづめます。自由には代償がつきものでした(笑)。そこでこの『実感』を養った方が良いなと思うのです。多くの人のこの『実感』の積み重なりによって、この島なりの折り合いがつくのかなと。

月に1回熊本に行くことで周りの方に迷惑をかけないか不安が無いわけではないですが、色々なことに配慮しながら室原家も前進して、なにか島のお役に立てたらなと思うのでした。以上です!

ただの変態

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