お盆の香り

今日、母と父それぞれから私のお気に入りの醤油が届いた。海外に住んでる時は諦めたけど、日本にいる間は絶対に諦めたくない。無くなりそうになるとすぐ頼む。現在、3本半ある。これで来年の春までは余裕だろうな。
父の荷物は醤油だけだったけど、母の方には大好きなうまかっちゃんとお香が。セージのお香で、東京のどこを探せば買えるのかわからなくて途方にくれてたら母が送ってくれた。早速使用。受け皿がなかったためティファニーのデミカップのソーサーを使用。油で色がつくかもと思い、クッキングペーパーを使用した。
マッチはないけど、うちはガスコンロ。そっと先っぽを近づけて点火。火災報知器が心配になる程行きよく煙が漂う。ゆっくりゆっくり。川の流れのように。そして、一気に部屋の中は知ってる香りに。
お盆やお彼岸の時、お寺で香った香りだった。お盆もお彼岸も帰国してから一度もお寺には行っておらず、お参りもしてない。もうする機会がないかもしれない。でも、この香りを焚けばご先祖様に会えると思って、また何度でも焚く。
あの急な坂も。
お年寄りに優しくない急な階段も。
冷たい床。
いろんなお墓に囲まれた私のご先祖様。
それぞの好きなもの、お供物を食べたいなって思ってた罰当たりな子供時代。
真昼の太陽は天辺にあるのに、建物の中だけはなぜか異様な不気味さとどことなく死者がリラックスできるような明るさ。
私たちの世界と違う明るさ。
こんなにたくさんの思い出というか記憶が蘇るこの香りを覚えとこう。

おじいちゃんに会えないのは悲しいけど、あの人はきっとじっとしてないから、あそこにはいなそう。笑

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