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『AKIRA』から学んだお金のはなし


個人的見解だが、『お金は燃料』だと思っている。
自分の未来を現実化していくための燃料だ。

実は趣味で占いをしているのだが、その師匠的な人に『アンタの中には燃えるような情熱が滾っている。このエネルギーは使い方次第でアンタの身体を焼き尽くす炎にもなるし、自分自身を突き動かす燃料にもなる。使い方をちゃんと考えなきゃいけないよ。』と言われたことがある。

つまり、エネルギー(燃料)自体に意味はない。善悪という概念はなく、意味は使う人間が決めるのだということだ。話が飛躍しているだって?まぁそうせっかちにならず、とにかく聞いてくれ。

『AKIRA』という作品を知っているだろうか?

 1988年、関東地区に新型爆弾が使用され、第3次世界大戦が勃発した――。2019年、ネオ東京。金田をリーダーとするバイクの一団は進入禁止の高速道を疾走していた。しかし、先頭にいた島鉄雄は突然視界に入った奇妙な小男をよけきれずに転倒、負傷する。小男と鉄雄は直ちに現れたアーミーのヘリに収容され飛び去ってしまった。翌日、鉄雄を捜す金田は、少女ケイと出会う。彼女は反政府ゲリラの一員で“アキラ”という存在を追っていた。その頃、鉄雄はアーミーのラボで強力なクスリを連続投与され、不思議な力を覚醒し始めていた…。(『AKIRA』大友克洋  あらすじ引用

言わずと知れた、大友克洋氏の長編アニメーションである。元は同氏が週刊ヤングマガジンで 1982年から1990年まで連載していたSFマンガで、連載を中断してまで自身が監督を努め、当時では破格の総制作費10億円を投入して作られた。多方面で伝説のある作品の偉大さについては今すぐ口泡を飛ばしながら語りたいが、本筋から外れるので割愛する。

今から約30年前、近未来SFとして翌年にオリンピックを控えた2019年を舞台に描かれた本作には、”新型爆弾”と”超能力”が重要な要素として出てくる。この2つはどちらも、爆弾の作り手、超能力の使い手の強い情熱とエネルギーを原料にしているが、人々はその強い力を求め、あるいは恐れる。そして最終的に新首都 ネオ東京は崩壊に向かうー……。

アニメ映画版『AKIRA』において最も大きなメッセージはまさに「エネルギーは誰もが持っている。何にどうやって使うかは自由だ。だから使い方を誤ってはいけないよ。」なのだ。

え?お金とのつながりが見えないだって?

じゃあこんな話はどうだろう。近所の自然食品店が営業不振で店を畳んだ話だ。

自然食品は単価が高い。何故なら生産過程に手間がかかっているので、大量生産されている食品に比べると、どうしても売値が高く設定されてしまう。おまけに流通量も少ないし、その上利用者も消費者全体から見れば少ない。もちろん自然食品業界に限った話ではないだろう。つまり言いたいことは、お金の課金先は十分に考えて選ばなければならないという話だ。お金の使い方は、『私に、社会に、これが必要です』という意思表示をすることに繋がる。

映画の興行収入がグッズ展開や次回作の燃料になるように、懇意のお店が息長く営業してくれるように、お金の行き先はとても重要だ。お金というエネルギーによって、課金先は成長し、エネルギーが足りなかった場合は衰退する。

だからこそ、エネルギーは考えて使わなければならない。
自分にとって必要なものは何だろう?
何が自分の生活を彩る?
それはどこの市場が成長すれば叶うだろうか?
今の自分の課金先に無駄はないだろうか?

コンビニで意味もなくビールとツマミを毎日買っている暇があれば、もう2、3度『AKIRA』を劇場に観に行ったほうが有意義かもしれない。

だからこそ、自分の宝物を衰退させる結果になるお金の使い方はやめたほうがいい。それは長い目で見て、不幸と損失をもたらすにちがいないし、できれば気分の良くなる世界であってほしいからだ。

これで、『お金は未来をつくる燃料』という意味がお分かり頂けただろうか?
まだ納得できない人はとりあえず、立川シネマシティで極音上映中の『AKIRA』を観てくれ。わたしたちの中に滾る情熱という名のエネルギーがいかに強く、美しいものか分かるはずだ。そして、あなた自身でこの課金先に誤りはなかったと証明してほしい。

編集:円(えん)
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