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心を閉じる感覚とは

ゲイのマッチングアプリで出会って8ヶ月ほど。恋人のような関係(少なくとも僕はそう思っていました)の人の話は前に書きました。

出会った当初は、むしろ彼からのアプローチの方が多くて、会いたい、話し足りなかった、よく笑ってうれしかった、とか嬉しい言葉をたくさん言ってくれました。

女性とお付き合いしたことはあるものの、本当に相手の方に申し訳ないですが、当時自分の心はちゃんと入っておらず、そういう意味では初めて恋愛感情が通じ合った感覚で、恋する幸せとはこういうことなのかと、40代にして初めて知りました。

いろんな感覚が敏感そうで、こだわりも強くて、仕事の話なんか聞いていると、人への気持ちはどこかドライすぎるところもある気がして、色々と困惑することもありましたが、自分の知らない世界だったし、自分への愛情は感じられたし、もっと知っていきたいというワクワクした気持ちでした。

出会って1ヶ月半ぐらい経った頃からでしょうか。少し温度感が変わったなと感じました。彼の自分への熱量が減ったように感じられたのです。LINEの内容は淡白になりましたし、彼から会いたいと言われることもなくなりました。それでも週に一度のペースでは会っていましたが、徐々に2週に一度のペースに。彼は常に仕事が忙しそうで、こちらが会えますか?と聞いて、合間を縫って会う感じに。

でも会えばそれなりに楽しかったのです。桜を見たり、お祭りに行ったり、誕生日プレゼントを交換したり。でも彼が何を考えているのかがわからなくて、萎縮はしていました。最初の頃は自分が好きなものの話もしたし、彼が興味あることを聞くのも楽しかった。でもだんだんと、彼からどんな反応が返ってくるのか怖くなって、無邪気に話せなくなっていきました。相手の中でおそらく自分への関心が薄れてそうだなと感じる中で、おそるおそる話す感じです。

彼からは、最初の頃から、人に合わせるところあるよね、とよく言われました。それはそうです。小さい頃からそうやって生きてきたので、簡単には直せない自分の性質です。でも別に無理して合わせているわけではない。多くのことをどちらでも良いかなと思うし、内容よりも彼と一緒に経験することが楽しかった。彼は好き嫌いがハッキリしているところがあったので、彼がこうしたいというのがあるのなら、それに合わせることは全く嫌ではなかったのです。
ただ、だんだんと、人に合わせるところがあるよね、だけで済まずに、本当は興味ないでしょ?とよく言われるようになりました。もちろん彼が興味あることに、すべてに興味があるわけではない。でも一緒に体験することが楽しかったし、彼が何に興味があるかは知りたかった。
そんな気持ちに対して、本当は興味ないでしょ、とバッサリ言われることは、ちょっとしんどかったです。彼は、僕の人に合わせている感じが、あまり好きじゃなかったのかもしれません。

最後に会ったのが5月中旬。一緒にお祭りに出かけて、それはすごく楽しかった。
その頃LINEのやり取りはかなり減っていたのですが、最後のデートのあとは、本当になくなってしまいました。週に1〜2回僕が送ると相手から一往復、二往復、返事がくるくらい。以前は最後は「おやすみ」と言い合って終わっていたのに、それもなくなってしまいました。
最後に会って2週間ぐらい経って、近々会えますか?と送ってみました。一応日にちを決めるも、当日仕事でキャンセルに。

そしてその後一週間まったくLINEを送るのをやめました。もう自分からしか送らない、ということに疲れてしまったし、少し諦めの気持ちに。
でも今日思い立って、あまり駆け引きはしたくないなと思って、モヤモヤしているなら送ってしまおうと、一通LINEを送りました。

久々のLINEだけど、元気にしてますか?と。

遅くに返事がありました。

元気だけど、心を閉じています、と。

少し覚悟もあって送ったLINEでしたが、それにしても予想外の返事でした。
心は閉じているけど、元気ではある。
こんなに悲しい返事ありますか。
何かに落ち込んでいるなら、自分ができることはしたい。一瞬そう返そうと思いました。でも一方で彼は元気だと言っているのです。
何が正解かはまったくわかりませんが、わからないので素直に聞きました。

心を閉じているのは俺に対してなのか、いろいろなことに対してなのかと。

まだ返事はないですし、返事が来るのかもわかりません。

今思えば、熱量が減ったと感じ始めた半年まえに、もう終わっていたのかなーと思います。
僕はずっとモヤモヤを感じていたのに、彼に遠慮してしまい、モヤモヤをぶつけられなかったし、彼に本心を聞けなかった。どこか彼へのコミュニケーションの難しさを感じていて、本音をぶつけることに躊躇してしまった、というのもあります。
でも、大事な人なら、モヤモヤを感じた時点で言った方が良かったんだろうなと今は思います。

一方で、冒頭にリンクした記事でも書いたのですが、自分の軸は失わないように、というのが去年からのテーマでしたので、彼との関係がどうなっても地獄に落ちないように、自分なりに軸を見失わないようにはしてきたつもりです。
だから今もそこまでしんどい感情にはなっていません。何かの拍子に溢れ出てきてしまうかもしれませんが、でも自分を信じようと思います。

人間関係において、自分が見えていることは半分でしかなくて、彼の視点はわかりません。この半年の中で彼もいろんなことを感じた結果なんだと思うので、しょうがないですよね。
つい自分視点での不満ばかりが頭の中を支配しそうになりますが、それは片方の視点でしかない、と思えることが、自分の成長として頑張りたい部分かもしれません。

まだどうなるかはわからないのですが、いったん吐き出させてもらいました。
読んでくださった方、ありがとうございました。

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