岩城さんのさくら
「岩城さんのさくらは
いつでも満開なんですよ」
岩城さんとは岩城宏之のこと。
多大な情熱と行動力で
世界に名だたる指揮者になった。
さくらは「さくらさくら」、
日本の古謡を武満徹が編曲、
混声合唱曲「さくら」となった。
様々な指揮者がこの曲を振り、
多くの合唱団が歌っている。
しかしそのさくらの木が
満開になって咲き誇るのは
岩城さんが指揮をして、
東京混声合唱団が歌った、
「さくら」だけだという＊。
♬ さくら さくら
弥生の空は 見渡す限り
霞か雲か 匂いぞ出ずる
いざや いざや
見に行かん ♬
人の声だけのアカペラ、
ヴォカリーズが加わる。
静寂な響きが幻想的で、
桜の木が目の前に現れ、
さくらが開花していく。
満開のさくらが……。