礼文島のお医者さん

北の最果て
北海道の礼文島に
長い間島民を診てきた
お医者さんがいる。
升田鉄三さん、67歳。

鉄三さんは生まれ育った
島に医師がいないことから
一念発起して医学を学ぶ。
いろいろな病院で経験を積み、
島に戻って診療所を開いた。

礼文島の島民は2500人、
毎日多くの患者が訪れる。
さまざまな病気を診て、
適切な判断を下し、
島民の命を守ってきた。

鉄三先生には息子がいる。
晃生さんもまた医師となり、
大病院を辞めて島に帰ってきた。
父が悪性リンパ腫になり、
自分が島に必要だと感じたからだ。

父は息子に後を継いで欲しいと
言ったことはなかったそうだ。
あまりに重責だからだろう。
しかし息子は父の背中を見ていた。
父の意志を継ぐ医師になると。

凄い親子である。
日本に医師はたくさんいるが、
僻地に行く者は少ない。
生まれ故郷を大切にする。
それこそ人の道である。

鉄三先生はこの春に引退、
息子のサポートに回った。
鉄三先生、これまで本当に
長い間ご苦労様でした。
でも、これからも
よろしくおねがいします。
そして、晃生先生、
本当にありがとうございます。