飛び出す星の王子さま

飛び出す絵本が好きだ。
本を開くとイラストが
グッと立ち上がってくる。
二次元の本の空間が、
三次元になって行く様。
立体になる仕掛け本に
子供の頃から心を奪われた。

『星の王子さま』の絵本が
飛び出す立体絵本になった。
海外ではポップアップブック。
サン・テグジュペリが描いた
可愛い星の王子が立ち上がる。
しかも立ち上がった王子が
様々な仕掛けで動き出すのだ。

ボアなる巨大な蛇が象をのみ込む。
3本のバオバブが立ち上がり
小さなバラの花は話し出しそう。
友達になったキツネが動き出し、
毒ヘビが王子にのびあがり、
火山が一気に高くそびえる。
星がまたたき、回り出していく。

大きな「星の王子さま」の絵本、
「LE GRAND LIVRE POP-UP」。
サン・テグジュペリが書いた
今も読み継がれる世界最高の童話。
それが飛び出す大きな絵本となり、
王子に新たな命が吹き込まれた。
実は子供用ではなく大人用の童話。

子供の純真な心を忘れた
大人たちに大切なものを教える。
それはキツネが王子に語ることだ。
「大切なものは目に見えない」
そう、見えるのは夜空の星だけ。
僕は晴れ渡った夜空の星を見上げる。
星に戻った王子の笑顔が瞬いている。