木菟と書いてミミズク

朝から夏の日差しの公園で
腕に大きな鳥を乗せて
散歩をしている人を見かけた。

耳があるから梟ではない。
「木菟ですか?」
その人はにっこりと頷く。

耳が兎のように見える。
樹上の兎で木菟。
首を回してじっと僕を見る。

「日光浴が好きなんです」
「野性なんですか?」
「餌も探して食べます」

「何を食べますか?」
「鼠でも魚でも虫でも
何でも獲って食べます」

「普段の餌は何ですか?」
「ひよこを上げてます。
1日3匹くらい食べます」

生きたひよこを上げる。
僕にはできないなと、
生け贄なんだと思った。

「鷹に襲われないように
気をつけて散歩しています」
木菟は鷹の餌になるのだ。

この公園にも鷹がいるという。
「気をつけてください」
そう言って別れた。