音大コンサートバンド

月も星も出ていない
寒々しい夜に
武蔵野音楽大学の
学生たちによる
コンサートバンドの
演奏を聴いてきた。

タイスのバレエ音楽
「鐘」が鳴り響く。
ワーグナーの
「ローエングリン」、
コープランドの
「アパラチアの春」。

水爆実験で被災した
第5福竜丸の悲劇を
福島弘和が作曲した
「ラッキードラゴン」は
ナレーション入りの
熱の籠もった演奏だった。

最後は清水大輔作曲の
壮大な「蒼氓愛歌」。
打楽器の爆発的な迫力と
管楽器の燃え上がる音が
渾然一体となって
ホールを席巻した。

プロには持ち得ない
学生たちだからこその
純粋な情熱溢れる
素晴らしい演奏だった。
音楽に賭けた思いは
永遠に君たちの宝物だ。