ホロヴィッツのラフマニノフ

ふと聴いたNHKFM、
ウラジミール・ホロヴィッツが奏でる
ラフマニノフのピアノ協奏曲
第3番が始まるときだった。

指揮はユージン・オーマンディー、
オケはニューヨークフィルハーモニー、
1978年1月8日にカーネギーホールで
行われた歴史的な名演奏だった。

ラフマニノフはホロヴィッツの演奏を聴き、
「この曲を完全に理解している」と感嘆、
30歳年下のホロヴィッツと友人となり、
ホロヴィッツは生涯この曲を愛した。

美しく繊細なメロディで始まり、
徐々にホロヴィッツの魂に音楽の神が
降臨して感動的なエンディングで終わる。
観衆の「ブラヴォー」の叫びと拍手の嵐。

ホロヴィッツのピアノの余韻が消えず、
僕の心は震えたまま止まらない。
涙まで溢れ出てしまった。
ホロヴィッツ75歳、神様の演奏だった。