セサミでダンス!

僕らのビッグバンドジャズが
セサミストリートのテーマをやり出すと
通りがかりの小さな少女が踊り出した。
お母さんはその子の弟を乗せた
ベビーカーを引いていたのだけれど、
少女はその横で踊りながら前進していく。

女の子はスカートを翻してダンスする。
♬Sunny Day
Sweepin ’the clouds away
On my way to where the air is sweet♬
〈ある晴れた日 雲は流れ去って
私は素敵な場所に行く途中〉

きっと口ずさんでもいたことだろう。
ニコニコしながら僕らを眺め見る。
♬Can you tell me how to get
How to get to Sesame Street♬
〈私に教えてよ
セサミストリートの行き方を〉

セサミは「アリババと40人の盗賊」の
有名な呪文「開けゴマ」のこと。
この呪文で扉が開いたように、
子供たちの新しい世界や知識の扉が開く。
それがセサミストリートなのだ。
その少女もセサミストリートを目指している。

サックスを演奏している僕と
その子の笑顔の目が合った。
ちょうど休符になったので、
僕は彼女に笑顔で手を振った。
「どうかこの子に素敵な未来があるように」
演奏していてこれほど楽しい一時はなかった!