朝風呂で生きた心地

朝風呂に入った。

朝の散歩から帰ると

体が冷え切っていて

暖房している部屋にいても

まったく体が温まらない。


ならば熱い湯に浸かろう。

さっそく風呂を沸かして

さっと体を石鹸で洗い、

ざぶんと湯舟に飛び込む。

「おーっ」と声が出る。


肩までしっかり沈めると

体がどんどん熱くなって、

筋肉がやわらいでくる。

ゆらゆら湯気の中で

頭がぼーっとしてくる。


「いい湯だね、あはっ」

思わず歌が飛び出てくる。

「朝寝、朝酒、朝湯が大好きで」

庄助さんになった気分だ。

身上は潰したくないけどね。


のぼせるほど湯に浸かり

風呂からあがると

体が赤みを帯びていた。

すぐに服を着込んで

湯冷めをしないようにと。


危うく風邪を引くところだったが、

朝風呂でそれも回避した。

熱い風呂にいつでも浸かれる、

日本の風呂文化は本当に抜群。

ほんとうに生きた心地がした。