紅茶の香り

紅茶を飲むことが多くなった。

寒くなってきたからだろう。

珈琲が好きだけれど

淹れるのはちょっと手間がかかる。

紅茶ならポットに茶葉を多めに入れ

湯を沸かせばいいだけ。


ストレートで愉しみたいので

香り高いインドのダージリンや

ちょっと高級なシッキム、

セイロンのウバの苦みもいいし、

タンザニアの甘い香りも好きだし、

中国のキームンも蘭の香りが蜜のよう。


ポットは妻の手作り陶器。

アラジンの魔法のランプに

とんがり脚を付けたような形。

紅茶のカップも妻の手作り。

これもとんがり脚がたくさん。

香りが愉しめる可愛い広口の平型だ。


ポットにぐらぐら湧いた熱い湯を

なるべく茶葉が泳ぐように入れる。

しばらくじっと待つ。

しっかり蒸らしたところで

温めておいたカップに注ぐ。

臙脂になるくらいの濃いのが好みだ。


カップからゆらめくいい香り。

すーっと嗅げば気分がやわらぐ。

熱い紅茶をしゅるしゅると飲む。

冷えた手と体がほんわり温まる。

大きく深呼吸して心を整える。

さあ、やるか、仕事、をね。