コンゴウインコ

図書館に行く途中、
バタバタと赤い鳥が
飛ぶのが目に入った。
電線に止まったので
近づいてよく眺める。

「うわ、コンゴウインコだ」
南米にいる世界最大のインコ。
そんな鳥が街で飛び回る。
それだけで驚くが僕の好きな
真っ赤なベニコンゴウインコだ。

伊藤若冲も日本画にしている。
「櫟に鸚哥図」である。
鮮やかな赤色を絵にしたい、
そう思ったに違いないのだ。
それほど魅力的なインコである。

知性に富んで好奇心旺盛。
50年は生きる長寿な鳥だ。
我が東京の街の隅々までを
飛んで調べているに違いない。
人間の言葉だってできるはず。

「人間って働いてばかりで
馬鹿な生き物だなあ」
空の上から僕らを見て
きっとそんなふうなことを
言っているかも知れない。

真っ黒なカラスばかりの
灰色の都会の街中を、
真っ赤なコンゴウインコが
飛んでいるのは何ともいい。
小さな空が大きく思え、
大自然が彷彿されるのだ。