多動性症候群

多動性症候群、

ADHDの息子を持つ

友人が僕のことを

「そう言われたことない?」と

笑いながら言うのである。


笑って言うのだから、

本気ではないようだが、

ADHDの多動性の兆候が

僕にないとは言えないな、

そう思ってしまった。


集中力がなく持続できない。

体を動かし落ち着きがない。

席に着いていられず歩き回る。

衝動的に何かやってしまう。

他人の話に介入する。


どれも多少当てはまっている。

それも歳を取ってきてから

思い当たることが多い。

根気がなく単調な仕事ができず。

物忘れがあり短気である。


しかし僕がADHDなら、

もっとそんな人が周りにいる。

MMは席に座っていたことがない、

AHはすぐにワーワー騒ぎ立てる、

TSは短気ですぐに怒って殴りかかる。


でも僕を含めて彼らは皆、

ADHDではないように思う。

何とか仕事をこなしているし、

家庭での生活も行っている。

諦められつつ認められている。


本当のADHDの人は僕らより

もっともっと大変なのだと思う。

悩み苦しんでいるのではないか。

わかっていてもなかなか治せない、

辛い生活をしているのでないか。


きっと僕のことをADHDと言った

友人も息子のことで苦しみ

悩んでいるのかも知れない。

笑顔の奥にあるものを、

そのときの僕はわからなかった。