うぐいすの死

「ゴン!」
リビングの上の
ガラス窓に
何かが当たった。

テラスの板の上に
小鳥が落下していた。
仰向けになり
一瞬足が動いた。

生きていたらいいが。
前にもガラス窓に当たり
墜落した鳥がいたが、
やがて飛んでいった。

今度はそれ以後動かない。
仰向けになったまま
起き上がろうともしない。
暗い緑色の小鳥。

30分ほどして
テラスに出てみた。
触ってみたが
反応はなかった。

静かに目を閉じてる。
眠ったように死んでいた。
地面に穴を掘り、
土をかけて埋めてあげた。

ウグイスかなと思って
調べるとまさにそうだった。
鳴き声に癒やされていた。
可哀想で悲しかった。

翌日、小鳥のお墓に
掘った穴が空いていた。
生きていたのだろうか。
土を払いのけて飛び立ったのか。

ところがテラスに
ウグイスの亡骸があった。
激突したウグイスと
同じかはわからない。

今度は俯せだったが、
背格好などとても似ている。
生き返ったのに
力尽きて死んでしまったのか。

生き埋めにしていたのなら
ひどいことをしてしまった。
今度はたくさん待った。
それでもぴくりとも動かない。

今度は本当に
死んでしまったのだろう。
穴の空いていたお墓に
埋めて土をかけた。
小枝で十字を立てた。