オリーブの木

須賀敦子の夫が亡くなり

かれの詩を弔うために

友人がオリーブの若木を

丘の上に植えたそうだ。


ちょうどイスラエルで

戦争が勃発したときで

かれが生きていたら

どんなに悲しむだろうと。


オリーブの花言葉は

「平和」である。

戦争のない平和な日を

願って植えられたのだ。


長らく戦争のない日本も

いつ何時起こるかも知れない。

だからこそオリーブの木に

大きな意味があるのだ。


駅そばのパン屋の玄関にも

オリーブが植えられている。

ここでは悪い気を払うという

風水の教えに従ったのだろう。


オリーブは雄と雌の木が

一体になって実を付ける。

それ故「幸せを運ぶ木」

とも呼ばれているそうだ。


僕はパン屋の前を通る度に

玄関のオリーブを見て、

平和と幸せを願い、

良い気がくるようにと祈る。