テニスエルボー

テニスエルボーは辛い。
やった人ならわかると思うけれど、
高圧電流が流れたように
ビリッと痛むのである。
バックハンドのとき、
思わず呻いてしまい、
ラケットを落としてしまう。

こうなると雑巾は絞れないし、
ドアノブは回せないし、
シャツを着ることさえできない。
コップを持ち上げても
「痛たたたたっ」と呻き、
涙さえ出てしまうのである。
これはもう重症である。

整形外科で診てもらうと、
「テニスはしばらく辞めて。
注射すればよくなるけど
腱を脆くするのでやめましょう。
ストレッチをやって
とにかく様子を見てください」
それだけなのである。

こちらは選手でもないし、
好きなテニスができないことが
つまらないと思うだけである。
こうして過ごしたある日、
突然痛みが消えているのだ。
お医者さんが言ったように
何もしなければ治るのである。

それからはテニスをするときは
テニスバンドをしているし
ストレッチもしっかりやっている。
しかしいったいぜんたい、
あの痛みは何だったのだろう。
何もしないで治ったなんて。
不思議なテニス肘なのである。