蔵本でしか買えない亀口酒
気持ちよく晴れたので
青梅の梅林を見た後
小澤酒造のままごとやで
豆腐料理をいただこうと
妻とドライブがてら出かけた。
青梅の梅は数年までに
病気でほぼ絶滅したとかで
若木ばかりの寒々しい花で
とても残念だったし、
ままごとやにも入れなかった。
ついていない日は
こんなものかと思いつつ
蔵本でしか手に入らない
澤乃井の甕口酒「蒼天」を抱えて
家の夕食を楽しむことにした。
甕口酒というのは酒を搾る
「ふね」の出口が亀の口に
似ているからその名がつき
蔵人しか味わえない一番酒で
搾りたての中の搾りたて。
一升瓶の蓋を開けると勢い良く
ポンと音を立て未だに発酵中。
グラスにトクトクと注げば、
上品な香りがふわっと立ちこめて、
酒を口に含めば米の旨味が広がる。
フルーティな風味が漂い
やや甘みまで感じる旨味系で
鯛の刺身が倍の旨さに豹変する。
思わずクイクイと飲めてしまい
素晴らしい酔い心地となった。
匂やかな梅も堪能できず
旨い豆腐料理も味わえなかったが
青梅に行った甲斐はあった。
美味しい酒があれば食卓は
一変に様変わりしてしまう。
亀口酒「蒼天」の一升瓶を見て
杜氏にただただ感謝する夜であった。